
はじめに|「きょうだいの不登校」が家庭に与える影響とは
不登校は、子ども本人の問題に見えますが、実際はきょうだい・親・家庭全体のバランスに深く影響する問題です。
多くの家庭では、
- 不登校の子に親の注意が集中する
- きょうだいが「我慢」「遠慮」「寂しさ」を抱える
- 家庭内の空気が重くなり、緊張感が高まる
という状態が起きています。
しかし、きょうだいのフォローができると、
- 家庭全体の空気が落ち着く
- きょうだいの精神的負担が軽減する
- 不登校の子が安心して回復しやすくなる
という大きな効果があります。このブログでは、家庭が振り回されず、きょうだい全員が安心できる環境を作るための実践的な方法をまとめています。
まず理解しておくべき“不登校の基本”と兄弟姉妹への影響
不登校は「怠け」ではなく“心とエネルギーの限界”
不登校は「行きたくない」ではなく、「行きたいけれど行けない」という葛藤から起こるケースが非常に多く、本人は常にプレッシャーと自己否定で苦しんでいます。
きょうだいに現れやすいサイン
- 本音を言えずガマンする
- 親の負担を見て遠慮する
- 「自分だけ頑張らないと」と無理をする
- 不登校のきょうだいを責められず、気持ちの行き場をなくす
- 逆に反発して行動が荒くなる
きょうだいは「言えないストレス」を抱えやすく、早めのフォローが必要です。
親が誤解しやすいポイント
- 「大丈夫そうに見えるから問題ない」と思ってしまう
- 不登校の子に気を取られて、きょうだいのケアが後回しになる
- きょうだいが自立して見えても、実際は無理をしていることに気づけない
きょうだいは「親に迷惑をかけたくない」という気持ちが強く、気づかれにくいのが特徴です。
やってはいけないNG対応|きょうだい関係が悪化する要因
NG① 不登校の子ばかりに注意が向く
→ 親が悪いのではなく、誰でもそうなりやすい状況です。だが、きょうだいは強く孤独を感じます。
NG② 「あなたはしっかりしてね」とプレッシャーをかける
→ “良い子役割”を背負わせてしまいます。
NG③ 不登校のきょうだいと比較する
→ 「お姉ちゃんは…」「弟は…」などの比較は双方を傷つけます。
NG④ 気持ちを聞かずに「わかってあげなさい」と言う
→ 正論でも、きょうだいには“我慢の押し付け”になります。
NG⑤ 話し合いが全て不登校の子中心になる
→ 家庭の会話バランスが崩れ、きょうだいは居場所を失います。
高校卒業支援のスペシャリスト

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今日からできる家庭のバランス改善策
① きょうだいと1対1で話す時間をつくる
- 数分で良いので「あなたの時間」を確保する
- 悩みを聞くより、存在を認める言葉を増やす
② 「あなたの気持ちも大事だよ」と伝える
きょうだいが最も欲しいのは「自分も大切にされている」という安心感です。
③ きょうだいに役割を与えすぎない
- 我慢役
- 良い子役
- 家庭のムードメーカー役
こうした役割は知らないうちにストレスになります。
④ 不登校の子ときょうだいを対立させない
親が中立的な姿勢を取ることが、家庭の空気を守ります。
きょうだい間のコミュニケーションを整えるステップ
ステップ1:家庭の空気を“責めない雰囲気”にする
家庭が安心できる場になると、きょうだい同士の関係も自然に安定します。
ステップ2:きょうだいの気持ちを否定しない
「そんなこと言わないの」と止めるのではなく、「そう感じるよね」と受け止めることが大切です。
ステップ3:きょうだいの気持ちの置き場をつくる
親に話せない場合もあるため、親以外の相談先(祖父母・スクールカウンセラーなど)も有効です。
ステップ4:きょうだい同士の距離感を調整する
- 無理に関わらせない
- 適度な距離を保たせる
- 接触が多すぎて摩擦が増える場合は分ける
家庭全体を安定させるために親がすべきこと
母親・父親で役割を分担する
- どちらか一方が抱え込まない
- 家庭の決定を一緒にする
- きょうだいのフォローも分担する
家庭の会話を「不登校だけ」にしない
きょうだいの話題・家族の楽しみも意図的につくる必要があります。
「悪者」を作らない家庭の空気をつくる
不登校の子も、きょうだいも、誰も責められない雰囲気を維持することが最重要です。
家庭だけで難しい時に活用したい支援サービス
活用できる支援サービス例
- 訪問支援
- フリースクール
- オンライン支援
- 親向けカウンセリング
- 行政相談(教育委員会など)
外部支援が入るメリット
- 家庭に余裕が生まれる
- 親がきょうだいに向き合う時間を確保できる
- 第三者の存在で家庭の空気が柔らかくなる
支援を使うべきサイン
- きょうだいが強く我慢している
- 親が限界を感じている
- 家庭での会話が減っている
- 不登校の子が完全に閉じこもっている
親自身のメンタルケアと限界への対処
親も疲れやすい「きょうだいの不登校」
不登校の子のケア、きょうだいのフォロー、家庭のバランス調整…
すべてを親が担うのは負担が大きく、誰でも疲れます。
親自身のケアが家庭を安定させる
- 一人の時間を確保する
- 第三者に相談する
- 親同士のコミュニティを利用する
焦りすぎないための考え方
- 不登校は珍しいことではない
- 改善は波があるが、必ず前に進む
- 家庭が安心できる環境こそ最大の支援
まとめ|きょうだい不登校を“家族で乗り越える”ために
きょうだいの不登校は、家庭全体に大きな影響を与えますが、親の少しの工夫で改善が進みます。
今日からできることをまとめます。
- きょうだいの気持ちを軽視しない
- 1対1の時間をつくる
- 家庭の空気を「責めない雰囲気」に整える
- 役割を押しつけない
- 必要に応じて支援機関を活用する
家庭全体が安心できる環境になると、きょうだいも、不登校の子も、そして親自身も楽になります。
不登校は“家族で取り組む問題”です。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。



