子供からの家庭内暴力に悩んでいる家族の認知度は、法務省の発表によりますと、年々増えている傾向にあります。
「子供が癇癪を起こしたり怒りっぽくなった」
「子供に暴力をふるわれた」
「以前とは違う子供の一面に、対策も分からずどうしていいかわからない」
と、子供の家庭内暴力に悩んでいる人は少なくないと考えています。
家庭内暴力は長引けば長引くほど、悪化させてしまうので早期の解決が望ましいです。
では、どのようにして子供の家庭内暴力と向き合えばいいのでしょうか。
本記事は、以下のような家庭内暴力の原因、解決方法や相談できる専門家を紹介します。
- 家庭内暴力を引き起こす主な原因
- 家庭内暴力をしてしまう子供の特徴
- 家庭内暴力をしてしまう子供の心理
- 子供が家庭内暴力をしてしまったときの対処法
- 子供の家庭内暴力を解決するには中長期な家族のサポートが必要
- 子供の家庭内暴力を相談できる専門家
最後まで読んで、家庭内暴力に向き合うための一歩を踏み出すきっかけになればと思います。
家庭内暴力とは?
警察庁は、家庭内暴力について以下の通り定義付けています。
少年が、同居している家族等に対して継続的に暴力を振るう事案をいい、家庭内暴力を止めようとした第三者に対して暴力を振るう事案や他人の所有物を損壊する事案については含まない。
引用:令和5年中における少年の補導及び保護の概況|警察庁
出典:https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/pdf-r5-syonengaikyo.pdf
家庭内暴力とは、20歳未満の男女が家族に対して暴力行為をすることを指しますが、家庭内で起きる暴力行為の全般も含まれます。
また、暴力行為の全般とは以下のような行為です。
- 身体的な暴力
- 暴言
- 家具や家財の破壊
暴力をふるわれる対象によって表現が変わり、大きく3つに分類されます。
家庭内暴力の種類
家庭内暴力の種類は、以下の通りです。
家庭内暴力 | 子供から親 |
虐待 | 親から子供 |
DV(ドメスティックヴァイオレンス) | 配偶者やパートナー間 |
家庭内暴力を引き起こす主な原因
家庭内暴力を引き起こす原因は、社会的環境や精神的な苦痛など複数の要素が複雑に重なって起きるため特定することは困難でしょう。
1つに特定するのは難しいですが、主な原因として考えられるものは以下の通りです。
- 家庭内での暴力を目撃した経験がある
- 親からの過度な期待や厳しい躾
- 家族間のコミュニケーション不足
- 愛情や承認が十分に得られていない
- 社会的プレッシャー
- いじめや過去のトラウマ
- 発達障害や精神疾患の影響
上記のように家庭内環境であったり、社会での挫折が挙げられます。
ここからは、それぞれの原因を詳しく解説していきます。
家庭内での暴力を目撃した経験がある
家庭内での暴力を目撃する経験は、子供の成長において非常に深刻な影響を与えます。
子供が家庭内の暴力を「普通のこと」として認識してしまう可能性があるからです。
暴力を解決手段として正当化し、自らも暴力をふるう側になるリスクが高まることが考えられます。
また、この経験は心理的、情緒的、行動的な発達において深刻な影響を与えるでしょう。
家庭内での暴力が与える影響を理解し、そういった環境を作らないことが重要です。
親からの過度な期待や厳しい躾
親からの過度な期待や厳しい躾は、子供の自主性や精神面に大きな影響を与えてしまいます。
親からの期待に応えようと、自分の考えや感情を表現できなくなり、精神的な疲労やストレスを抱えると考えられるからです。
例えば「学校で常に好成績であることを要求し、少しでも成績が落ちれば許さない」や
「子供の行動を制限し、少しでも守らなければ厳しく叱責する」などの言動が挙げられます。
このような環境で育った子供は、親の期待を裏切ることへの恐怖心から自分で考えて行動したり挑戦する機会を奪ってしまいます。
また、子供を行動を制限するような言動は、子供の本心や感情を抑えつけてしまい、精神的な疲労やストレスがかかる可能性が高いでしょう。
精神的な疲労やストレスが限界に達した際に、親への反発心が芽生え、家庭内暴力に繋がることが考えられます。
親からの期待と躾は子供を支える上で大切ですが、過干渉になりすぎると子供の自主性や精神面に影響を与えるので注意が必要です。
家族間のコミュニケーション不足
上記では行き過ぎた過干渉な行為が家庭内暴力に繋がると言いましたが、コミュニケーション不足も家庭内暴力に繋がる可能性があります。
「忙しくて子供の話を十分に聞く時間がない」「感情を共有する時間がない」などの環境では、子供に不安、不満や孤独感を与えてしまうからです。
お互いの考えや感情が伝わらない環境では誤解が生じやすく、精神的なストレスが大きくなるでしょう。
家族間でのコミュニケーションが不足しており、子供との信頼関係が薄い状態では、子供が親に感情や抗議を伝える手段として暴力を用いられることが考えられます。
普段から子供と「今日あったこと嬉しかったことを共有する」など、感情を共有するコミュニケーションが必要です。
愛情や承認が十分に得られていない
親から愛情や承認が十分に得られていないと、家庭内暴力に繋がる可能性があります。
誰しも愛情を感じたいという思いや、他人に認めてもらいたいという承認欲求があるからです。
例えば、「親が子供の努力や感情を軽視する」「褒めることよりも批判を繰り返す」や、「子供との関わりを疎かにしている」家庭環境で愛情や承認が得られていない可能性が高いでしょう。
このような環境では、子供が「自分は価値のない存在だ」と感じ、孤独感や劣等感を感じることが多くなります。
愛情や承認が十分でないと、フラストレーションが溜まり、認めてほしい思いから家庭内暴力に繋がることが考えられます。
社会的プレッシャー
家庭内環境だけではなく、社会的プレッシャーも家庭内暴力の原因になります。
子供は学校という社会の中で長時間過ごすため、学校生活に適応できず友人関係もうまくいかない場合「学校に行きたくないのに、行かなければならない」と社会的プレッシャーを感じ、精神的な負担が大きくなるからです。
また、誰にも相談できない環境であると、一人で悩みを抱えストレスを適切に解消できずに蓄積されます。行き場のないストレスを親にぶつけてしまい、家庭内暴力に繋がると考えられます。
学校生活や友人関係について親はあまり口出しできませんが、子供の味方でいることが大切です。
少しでも前向きに、自信を失わせないようこまめに声をかけてあげるとようでしょう。
いじめや過去のトラウマ
学校生活で起きたいじめや過去のトラウマも、家庭内暴力の原因になると考えられます。
いじめや過去のトラウマは、子供の心に深い傷を残してしまうからです。
いじめにあった子供のほとんどが親に相談できず、一人で抱え込んでしまいます。
また、親が子供に寄り添う気持ちがない場合、子供の心の傷は癒えることがなく、不安感と孤独感を感じさせ、精神的負担が大きくなります。
いじめやトラウマについて誰かに相談したいけどできない、どうしよもうもない気持ちがストレスとなり暴力に表れてしまう可能性が高いです。
このような状況が長く続けば、子供の心の傷もより深くなり修復が難しくなります。
家庭で解決できない場合、外部の支援が必要になるでしょう。
発達障害や精神疾患の影響
家庭内暴力の原因は、家庭環境や社会環境だけではなく、発達障害や精神疾患の影響も考えられます。
発達障害や精神疾患を持っている子供は、一般の子供よりもフラストレーションやストレスを感じやすいからです。
「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の子供は、学校での授業や人間関係に疲れやストレスを感じやすく、家庭でも行動を受け入れてもらえずにいるとフラストレーションが蓄積され、ふとした衝動で暴力を振るってしまいます。
また「自閉スペクトラム症(ASD)」の子供がルーティンや秩序を乱されると、極度のストレスを感じ、怒りが暴力として親に向けられる場合も多いです。
子供が発達障害や精神疾患を抱えている場合は、子供の特性を理解し向き合うことが大切です。
家庭内暴力をしてしまう子供の特徴
ここからは、家庭内暴力をしてしまう子供の特徴を詳しく解説していきます。
以下のような特徴のある子供は、幼い頃から「過干渉・過保護に育てられてきた」又は「厳しく・威圧的に育てられてきた」傾向があります。
「子供が失敗しないように」と愛情のつもりだったかもしれませんが、それこそが子供の精神発達などの重要な成長を妨げてしまったと理解しなければなりません。
暴力を問題解決の手段として使う傾向がある
暴力を問題解決の手段として使う傾向がある子供は、適切な感情のコントロール方法や暴力以外での解決ができない可能性が高いです。
特に幼い頃から暴力を目撃する環境で、暴力による問題解決を見てしまった場合、暴力を正当化しやすくなります。
また、兄弟間やクラスでトラブルが起きた際、暴力によって意見を通した場面を見てしまうと「力が強い方が意見が通る」と勘違いしてしまいます。
この勘違いにより、親に自分の意見を通そうと家庭内暴力に繋がる可能性が高いです。
暴力を正当化してしまった子供は、暴力を問題解決の手段として使い、家庭内暴力をしてしまいます。
自己肯定感が低い
自己肯定感は自分自身を受け入れる感覚であり、自己肯定感が低いと生きづらさを感じてしまいます。
自己肯定感が低い子供は、自分の価値を認められないからです。
自己肯定感の低い子供には、以下の特徴があります。
- 自分の悪いところばかり気になる
- 「自分なんて・・・」と否定的になる
- 他人と自分を比べてしまう
- 褒められても素直に喜べない
自己肯定感が低い子供は、他人から褒められても否定してしまう傾向があります。
自己肯定感が低い生きづらさから、不安とイライラが募り、暴力的な行動をしてしまうのです。
不安や孤独感を抱えている
不安や孤独感を抱えている子供の多くは「何かに失敗し挫折した」「親からの愛情・承認が不十分」であることが多いです。
学校生活や社会で対人関係でうまくいかないことが続くと「自分は何をやってもダメだ」と不安を抱えてしまいます。
また、親との安定関係が不十分であると、心の拠り所であるはずの家庭でも「居場所がない」と孤独感を抱えてしまうでしょう。
一人で不安や孤独感を抱えていていると「助けてほしい」「不安」などの感情を言葉で伝えるのが難しく、どうにかしてほしい気持ちを暴力でぶつけてしまうのです。
自分の感情を言葉で適切に表現できない
感情表現の能力が未熟であると、自分の感情を適切に表現できません。
感情表現の能力が未熟であると、嫌なことがあった際にうまく対応できず我慢をしてしまうことが多いです。
我慢することにより、無意識にストレスを抱えてしまいます。
ストレスが限界に達した際に「助けて」「嫌だ」と言葉で抗議する前に、暴力で訴えてしまい、家庭内暴力に繋がります。
また、精神疾患により感情表現の能力が未熟な場合もあるので、精神疾患の場合は専門機関の協力を仰ぐと良いでしょう。
ストレス耐性が低い
ストレス耐性が低いと、些細なストレスでも心が折れ挫折してしまいます。
家庭内暴力をしてしまった子供は「何かに失敗して挫折した経験がある」傾向があります。
思い通りにならずつまずくのは、学校生活、対人関係、就職活動など様々です。
また、親が過干渉であったり、無関心だった場合にストレス耐性が育ちにくいです。
ストレス耐性が低いと、一度の失敗でも挫折してしまい、やるせなさとどうにかしたい気持ちが家庭内暴力に繋がる可能性があります。
衝動性が高い
衝動性が高い子供は、感情のコントロールが未熟であると考えられます。
感情のコントロールが未熟なため、少しの刺激で瞬発的に暴言を吐いてしまいます。
また、衝動性が高い子供は「行動した後どうなるか」を深く考えずに行動してしまうため、日常的に怒られている可能性が高いです。
衝動性の高い子供は、日常的な叱責でストレスを抱えており、少しの刺激でストレスが爆発すると、家庭内暴力に発展してしまうでしょう。
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家庭内暴力をしてしまう子供の心理
なぜ子供は家庭内暴力をしてしまうのでしょうか。
ここからは、家庭内暴力をしてしまう子供の心理を解説していきます。
家庭内暴力をしてしまう子供の心理は、以下の通りです。
理解して欲しいのにされない不安
家庭内暴力をしてしまう子供は、親による過干渉の中で育ってきた子供が多いです。
幼い頃から親の言うことに反対せず「聞き分けのいい子供」を演じてきた子供の心の奥には、「自分で決めて行動したい」「自分の話を聞いてほしい」など、自分の気持ちを理解して欲しい思いがあります。
自分の気持ちを話そうとしても、親に言い負かされてしまう不安を感じる子供は、暴力で対抗するしかありません。
理解して欲しいのに理解されない不安、理解して欲しい気持ちから、家庭内暴力をしてしまいます。
親に愛されたい認められたいという強い欲求
人間は誰しも愛されたい・認めて欲しいという欲求があります。
特に、家庭内暴力をする子供のは、親に認められたい、愛されたいという思いが強いです。
子供にとって親の承認は自分の存在を支える心の拠り所ですが、親に認められていない気がすると、自分が否定されたように思い、その不安や孤独感が子供を暴力的にします。
また、暴力で無意識に自分の存在をアピールしようとして、弱い親のお世話をしたり「甘えたい時に甘えられなかった」という未練から甘える行動を繰り返す場合もあります。
家庭内暴力をする子供は「愛されたい」「親の関心を引きつけたい」思いから、親に暴力をふるってしまうのです。
不安や恐れを抱えているが認めたくない気持ち
子供が家庭内で暴力をふるう心理には、不安や恐れを抱えながらも、それを認めたくない気持ちがあります。
特に、厳しい家庭環境で育った子供に多く見られます。
不安や恐れを認めてしまうことで、親に自分が弱い存在だと思われたくないからです。
自分が弱い存在だと思われることで、親からさらに干渉されるのを避けるため暴力で自分を強く見せようとしてしまいます。
また、弱い存在だと思われることで期待されなくなるのを避けようとする場合もあります。
いずれも、親から弱い存在だと思われたくない不安から自分を守るために攻撃的になってしまいます。
不安や恐れを抱えていることを認めたくない気持ちが防衛本能を呼び起こし、暴力をふるって、自分を強く見せようとするのです。
自分の人生をコントロールできないという無力感
自分の人生をコントロールできない無力感から家庭内暴力をしてしまう子供には、過干渉な家庭環境で育った子供に多いです。
親が子供の意見を聞かずに物事を決めてしまう環境では、子供は自分で物事を決める機会を失います。
自分の人生に関わることまで親に決められてしまった子供は、自分の人生を自分で決めれない不満や無力感を感じてしまうでしょう。
自分の力ではどうすることもできない無力感や不安を、どうすることもできない状況を作った親への不満や抗議を暴力で訴えているのです。
子供が家庭内暴力をしてしまったときの対処法
子供が家庭内暴力をしてしまった時は、どうすればいいのでしょうか。
これを知らないと状況を悪化させてしまう場合があります。
対処法を知って、家庭内暴力をしてしまった子供と向き合いましょう。
家庭内暴力をしてしまったときの対処法は、以下の通りです。
- 子供が落ち着くまで静かに待つ
- 暴力が収まってから穏やかに話し合いの場を持つ
- 冷静な態度を保ち感情的な対応は避ける
- 「暴力は絶対にダメ」というメッセージは明確に伝える
- 身の危険がある場合は自身と家族の安全を確保し警察へ連絡
子供が落ち着くまで静かに待つ
子供が家庭内暴力をしてしまったら、子供が落ち着くまで静かに待つことを心がけましょう。
暴力をふるっているときの子供はとても感情的になっているので、何をしてもヒートアップしてしまう可能性があるからです。
物に当たったり暴れている場合、壊れやすいものや危険な物があれば、子供を可能な範囲で移動させ親は距離を置いて待ちましょう。
また、家庭内暴力をしてしまう子供の中には、親に自分を理解して欲しいという思いから暴力をふるってしまう子供もいます。
親が感情的になって大きな声を出したり暴言を吐いてしまうと、逆効果になるので気をつけましょう。
暴力が収まってから穏やかに話し合いの場を持つ
暴力が収まるのをただ待つのではなく、暴力が収まった後には、穏やかに話し合いの場を持つことが大切です。
お互いの想いや考えを共有する必要があるからです。
子供と親、どちらも感情が落ち着き、冷静になったタイミングで話し合いましょう。
子供の気持ちを受け止め、解決策を一緒に考えることで、家庭内暴力の解決に向けた第一歩を踏み出すことができるのです。
冷静な態度を保ち感情的な対応は避ける
子供が家庭内暴力をしてしまった際、親も感情的になってしまいがちですが、冷静な態度を保つことが大切です。
親も感情的に対応してしまうと、家庭内暴力をさらにエスカレートさせてしまう可能性があります。
家庭内暴力が、暴言や無視でも、冷静な態度を保ち、根気よく見守りましょう。
冷静な態度を保ち感情的な対応を避けることで、家庭内暴力の状況を改善できる可能性が高まります。
「暴力は絶対にダメ」というメッセージは明確に伝える
暴力は、どんな状況であっても許されない行為なので「暴力は絶対にしてはいけない」と明確に伝えることが重要です。
さらに、暴力がダメだと伝えるだけではなく「暴力以外でも感情の表現方法があること」も伝えるとより良いでしょう。
家庭内暴力をしてしまう子供の中には、暴力を正当化していたり、感情表現の方法になっているかもしれません。
子供が、暴力は許されない行為であること、暴力以外の感情の表現方法を知ることで、暴力をふるってしまう状況を減らせるでしょう。
身の危険がある場合は自身と家族の安全を確保し警察へ連絡
警察へ連絡すると「子供が逮捕されてしまうのでは」と心配し、警察へ連絡することをためらってしまう親も多くいるでしょう。
しかし、子供が大暴れし、自身と家族に身の危険を感じた場合は、子供のためにも警察へ連絡してください。
これ以上子供に暴力をふるわせないためや「警察が関わるほどの問題」だと子供に認識させる機会にもなります。
また、世間体を気にして警察に連絡することに抵抗がある人もいると思いますが、子供と家族を思うなら、ためらわずに警察へ連絡しましょう。
子供の家庭内暴力を解決するには中長期な家族のサポートが必要
子供の家庭内暴力を解決するには、子供に寄り添う家族のサポートが必須です。
では、具体的にどんなサポートをすれば良いのでしょうか。
子供の家庭内暴力に効果的なサポート方法を紹介します。
- 子供の感情を否定せず受け止める
- 子供が自由に話せる雰囲気を作る
- 家族間のコミュニケーションを増やす
- 子供の話をじっくり聴く時間を作りストレスの原因を知る
- 子供のストレスを解消する方法を見つける
- 家族で小さな成功体験を積める機会を作る
子供の感情を否定せず受け止める
まずは、子供の感情を否定せず受け止め、子供の感情を言語化すると良いでしょう。
「イライラしてるんだね」「悲しいね」など、子供の感情をわかりやすく言語化することで、子供は感情を表現する練習にもなります。
また、感情を否定せず受け止めることは、親が子供を理解しようと歩み寄る意思表示なので、子供にも安心感を与えることができるでしょう。
子供が自由に話せる雰囲気を作る
子供との話し合いをする上で、最も重要なことは「子供が自由に話せる雰囲気」を作ってあげることです。
「何か話して」など問い詰めるような雰囲気では、子供が萎縮してしまい何も話せなくなってしまいます。
「思っていることを話していいんだよ」と話を聞く姿勢でいれば「話を聞いてくれる」と子供に伝わり、少しずつ本心を話してくれるかもしてません。
また、子供が自由に話せる雰囲気を作るためには「そうなんだ」「そうだよね」などの相槌を打つと良いでしょう。
相槌があることで、子供が安心して自分の気持ちを表現できるような雰囲気を作ることができるでしょう。
家族間のコミュニケーションを増やす
家庭内暴力を恐れて子供を避けていては、解決する機会を失ってしまいます。
子供に寄り添うためには、家族間でのコミュニケーションを増やすことが重要です。
コミュニケーションを増やすと聞いて、漠然としているかもしれませんが「おはよう」などの日常の挨拶でもいいのです。
挨拶に慣れたら、徐々に話す機会を増やすと良いでしょう。
コミュニケーションがうまくいくと、子どもの情緒が安定し、親もゆとりを持って過ごせるようになります。
子供の話をじっくり聴く時間を作りストレスの原因を知る
子供の家庭内暴力を解決するためには、そもそものストレスの原因を知らなければなりません。
子供のことを理解しているつもりだとしても、正確に理解している親は少ないです。
また、解決しようと焦ってすぐに原因を聞いても、子供は戸惑ってうまくいかないでしょう。
子供のストレスの原因を正確に理解するためには、子供の話をじっくり聴く時間を作り、ストレスの原因を知ることが大切です。
子供のストレスを解消する方法を見つける
家庭内暴力の原因がストレスであれは、暴力以外のストレス解消方法を見つけると良いでしょう。
特に、身体を使った運動でのストレス解消方法がおすすめです。
- ウォーキング
- ランニング
- ストレッチ
- 軽い筋トレ
上記のような運動で身体を動かすことで、エンドルフィンという幸福感をもたらすホルモンが分泌され、ストレスが軽減されます。
また、子供が好きなことで、継続しやすいものであれば、スマホでゲームやSNSなどでもいいのですが「スマホ依存症」のリスクも考えられるので注意が必要です。
家族で小さな成功体験を積める機会を作る
家庭内暴力をしてしまう子供は、自己肯定感が低くい傾向があるので、自己肯定感が上がるような体験があると良いでしょう。
小さな成功体験を積む機会は、日常生活にたくさんあります。
特に、簡単な家事のお手伝いを任せることが効果的でしょう。
家事が終わったら「ありがとう」や「助かったよ」など、感謝を伝えたり褒めることで、自分の存在に価値があると思い、自己肯定感が上がります。
自己肯定感が上がった子供は、情緒が落ち着きます。
家族で小さな成功体験を積める機会を作ることで、子供の暴力的な行動を減少させ、より健全な家族関係を再構築できるきっかけになる可能性があります。
子供の家庭内暴力を相談できる専門家
子供の家庭内暴力がエスカレートし、どうにもできなくなった場合は、家庭で抱え込まず専門家に相談することが大切です。
以下の専門家に相談し、できるだけ早く解決する方法を見つけましょう。
児童相談所
児童相談所とは、18歳未満の子供の福祉、健全育成など子供に関する相談に対応している専門機関です。
全国の都道府県に設置されています。
児童虐待のイメージがありますが、非行相談や不登校、家庭内暴力など、子供の問題行動についても対応しています。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターとは、地域住民の心の健康を守るための専門機関です。
全国の都道府県に設置されています。
相談内容は幅広く、以下のような相談に対応しています。
- 精神障害の予防
- 適切な医療の提供
- 社会復帰
- 自立の支援
相談対象者に年齢制限はありません。
家庭内暴力をする子供に、精神障害や発達障害の可能性を感じたら、まずは精神保健福祉センターに電話してみましょう。
また、精神保健福祉センターで直接相談が難しい場合でも、その子に合った児童精神科や専門機関を紹介してくれるので、安心して相談することができます。
児童家庭支援センター
児童家庭支援センターは、地域で連携し、子どもや家庭の幅広い福祉に関する問題相談に応じ、専門的なアドバイスやサポートを提供する施設です。
全国の都道府県に設置されています。
また、児童相談所、児童福祉施設等との連絡調整等を総合的に行い、地域の児童、家庭の福祉の向上を目指します。
警察署(生活安全課)
警察署(生活安全課)とは、非行少年や子どもによる問題行動を専門にとしている部署です。
生活安全課には「少年補導専門官」や「少年補導員」(名称は地域によって異なります)という、少年の心理や少年法に詳しい警察職員が所属しています。少年補導専門官は、社会内にいる子どもに対して継続的な指導を行ったり、親からの相談にも対応しています。
また、子どもの社会適応力を伸ばすために、地域のボランティア活動に参加する機会を提供したり、学生ボランティアによる学習支援を行い、子どもが成長するための支援も行っています。
警察署での相談が難しい場合は、警察相談専用電話 「#9110」番でも相談可能です。
「#9110」番は、お住まいの地域を管轄する警察本部などの相談窓口に繋げてくれる、全国共通の電話番号です。
自立支援センター
自立支援センターとは、支援が必要な対象者を一時的に保護し、早期の社会復帰に向けた支援を行う施設です。
各都道府県に様々な自立支援センターがありますが、家庭内暴力でお悩みの人には、らいさぽセンターがおすすめです。
らいさぽセンターでは、親子関係の分析を行い改善点を見極めながら本人の意識の変化、親へのレクチャーで、親子関係の修復もサポートしてくれます。
家庭内暴力でどうしようもない状況になってしまったら、一度、親子の距離を置くのも一つの手段です。
我慢して抱え込まず、ぜひ、らいさぽセンターへご相談ください。
専門家があなたの家族に寄り添います。
「部屋から出てこない」「会話が成り立たない」そんな日々に疲れていませんか?
まだ諦めるには早すぎます。
私たち『らいさぽセンター』は多くの引きこもりの若者たちとそのご家族に寄り添ってきました。
まずは、引きこもり支援の専門家にあなたの話を聞かせてください。
まとめ
今回は、家庭内暴力をしてしまう原因と解決法や相談できる専門家を解説しました。
ここで簡単におさらいしてみましょう。
【家庭内暴力を引き起こす原因】
- 親からの過度な期待や厳しい躾
- 家族間のコミュニケーション不足
- 発達障害や精神疾患の影響
【家庭内暴力をしてしまう子供の特徴】
- 自己肯定感が低い
- 不安や孤独感を抱えている
- 自分の感情を言葉で適切に表現できない
【家庭内暴力をしてしまう心理】
- 理解して欲しいのにされない不安
- 親に愛されたい認められたいという強い欲求
- 不安や恐れを抱えているが認めたくない気持ち
子供が家庭内暴力をしてしまう状況には、必ず原因と理由があり、子供自身も苦しんでいます。
否定するのではなく、子供の思いを受け止め、理解することで、解決へ進むことができるのです。
ぜひ、今回解説した内容を実践し、子供と幸せな未来への一歩を踏み出しましょう。