
第1章 新学期という「環境激変」の正体
新学期は新しい始まりとして前向きに語られることが多い一方で、子どもにとっては生活構造が短期間で大きく変わる時期でもあります。クラス替えや担任の変更、友人関係の再編成、学習内容の難化といった変化が一度に重なるため、適応には相応のエネルギーが必要になります。とくに中学入学の場合は、制服への移行や部活動の開始、定期テスト文化への適応、通学環境の変化などが加わり、心理的な負荷はさらに増していきます。
こうした変化は一つひとつは乗り越えられるものであっても、同時進行で押し寄せることで消耗が蓄積しやすくなります。その結果として、不登校という形で心身の限界が表面化することがあると考えられます。
第2章 中学入学が特に負荷になりやすい理由
小学校から中学校への移行は単なる進級ではなく、役割や期待の質が変わる転換点でもあります。評価基準は明確になり、成績や順位が意識されるようになることで、他者との比較が避けにくくなります。さらに「もう中学生なのだから」という周囲の言葉は、本人の自覚以上に責任や自立を求める圧力として作用することがあります。
思春期の入り口に立つこの時期は自己意識が強まりやすく、そのぶん他者の視線や評価に敏感になります。安心できる居場所がまだ固まらない状態で期待だけが高まると、不安は内側に溜まりやすくなります。
第3章 「がんばる子」ほど崩れやすい構造
不登校は意欲の欠如によって起こるとは限りません。むしろ期待に応えようとする子ほど、自分の不安を後回しにしながら無理を重ねてしまうことがあります。新学期特有の「ちゃんとしなければならない」という空気が続くと、緊張状態が長引き、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
朝起きづらい、腹痛や頭痛が続くといった症状は、怠けではなく負荷の蓄積を知らせるサインとして現れる場合があります。その段階で止まることは、心身がこれ以上の無理を避けようとする防御反応とも捉えられます。
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第4章 入学式の朝に動けなくなるまで
入学式の朝に突然動けなくなるように見える出来事も、多くは一夜にして起きるわけではありません。制服の準備や説明会への参加などを通じて少しずつ緊張が積み重なり、見えない疲労が蓄積していきます。未知の人間関係や新しい環境への不安は、表に出ないまま内側で膨らむことがあります。
そして限界に近づいたとき、体が先に反応して動けなくなるという形を取ることがあります。その背景には長い葛藤のプロセスがあることを理解する視点が必要です。
第5章 親が誤解しやすい視点
「まだ始まったばかりなのに」と感じるのは、状況をどうにかしたいという親心の表れでもあります。しかし周囲との比較や正論は、本人にとっては自分だけが遅れているという感覚を強めることがあります。新学期の不登校は、学校そのものを否定しているというよりも、過剰な負荷に対する停止反応である場合が少なくありません。
この段階では登校を急がせるよりも、まず安心を回復させることが結果的に近道になることがあります。問い詰めるのではなく、迷っている気持ちをそのまま受け止める姿勢が回復の土台になります。
第6章 新学期の不登校が意味するもの
新学期に不登校が増える背景には、環境変化が集中するという構造的な要因があります。それは失敗の証明ではなく、調整が必要であるというサインとして捉えることができます。中学入学という大きな転換点では、誰にでも揺らぎが起こり得ます。
登校の可否だけで判断するのではなく、安心がどのように回復していくかを見る視点が重要になります。立ち止まる時間を後退と決めつけず、再調整の過程として支えることが、その後の適応につながっていきます。







