
冬休みに入ると不登校になる学生がいる理由とは
「それまでは何とか学校に行けていたのに、冬休みに入った途端、学校の話をしなくなった」「休み明けを前に、急に体調不良を訴えるようになった」。こうした相談は、冬休み前後に多く寄せられます。
一般的に不登校というと、夏休み明けや連休明けに学校へ行けなくなるケースが注目されがちです。しかし実際には、冬休みに入ったこと自体をきっかけに、不登校状態へ移行する学生も少なくありません。
このタイプの不登校は周囲から気づかれにくく、「休み中だから様子見でいい」「そのうち戻るだろう」と判断されがちです。しかし、冬休み不登校はそれ以前から積み重なってきた負担が限界に達した結果であることが多く、見過ごすと長期化するリスクを含んでいます。
冬休みをきっかけに学校へ行けなくなる子どもたち
冬休みは一見すると気分転換になりやすい時期ですが、すべての学生にとって安心できる期間とは限りません。特に、学校生活に強い緊張や不安を抱えながら登校を続けていた学生にとっては、休みに入ることで心身の糸が切れてしまうことがあります。
「休みだから楽になるはず」という大人の感覚とは裏腹に、子ども自身は「これまで無理をしてきた自分」を意識せざるを得なくなり、不調が一気に表面化することがあります。
また、学校という日常の枠組みがなくなることで、安心感を失い、不安が増大するケースもあります。特に環境変化に弱い子どもほど、休み期間中に状態を崩しやすい傾向があります。
「長期休み明け不登校」との違い
夏休み明けや連休明けの不登校は、「学校生活に戻ること」そのものへの不安が原因となることが多く見られます。一方、冬休みに入った段階で不登校になる場合、すでに心身の疲労が限界に近づいていることが少なくありません。
このタイプの不登校では、「行きたくない」というよりも、「行けない」「考えるだけでつらい」という感覚が強くなります。意欲や気力の問題ではなく、心と体のエネルギーが枯渇している状態といえます。
そのため、気合いや努力を求める対応は逆効果になりやすく、回復までにより長い時間を要することもあります。
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なぜ冬休みは不登校が表面化しやすいのか
冬休みは生活リズムが急激に崩れやすい時期です。朝起きる必要がなくなり、夜型生活になりやすいことで、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
加えて、冬は日照時間が短く、気分の落ち込みや無気力感が強まりやすい季節でもあります。こうした身体的要因も、不登校が表面化しやすくなる一因です。
さらに、成績表の配布や学年末テスト、進級・進学といった現実的な課題が突きつけられる時期でもあり、学業不安が一気に顕在化します。
年末年始の家庭行事や親戚との関わりも、子どもによっては大きな心理的負担となり、「ちゃんとしていない自分」を強く意識させる要因になります。
冬休み前から見られるサイン
冬休み不登校は突然始まったように見えて、実際にはその前から小さな変化が積み重なっていることがほとんどです。欠席や遅刻、早退が増えるのは典型的なサインです。
体調不良を頻繁に訴えるようになったり、病院では異常が見つからない不調が続いたりする場合、心理的ストレスが身体症状として現れている可能性があります。
また、表情が乏しくなる、会話が減る、些細なことでイライラするなどの変化も見逃せません。これらは、子どもが限界に近づいているサインです。
親がやってしまいがちなNG対応
冬休み中、親は「このままで大丈夫なのか」という不安から、つい声をかけすぎてしまうことがあります。しかし、「休み明けは行けるよね」「いつまで休むつもり?」といった言葉は、子どもを追い詰める原因になります。
また、他の子どもと比較したり、将来への不安を強調したりすることも、自己否定感を強めてしまいます。
親の焦りは子どもに伝わりやすく、結果として本音を隠すようになり、状態が長期化することがあります。
冬休み中に家庭でできる関わり方
冬休み中は、学校に行くかどうかを結論づける時期ではありません。まずは「今は休んでいい」という安心感を持たせることが重要です。
生活リズムについても、完璧を目指さず、少しずつ整えることを意識します。日中に起きる時間を少し早める、食事の時間だけは一定にするなど、小さな積み重ねが回復の土台になります。
また、無理に原因を聞き出そうとせず、子どもが話したくなったときに受け止められる姿勢を保つことが大切です。
冬休み明けに無理をさせない登校の考え方
冬休み明けにいきなり通常通りの登校を求めると、不登校が固定化する恐れがあります。まずは短時間登校や別室登校など、段階的な選択肢を検討することが重要です。
「毎日行く」ことよりも、「安心して過ごせる時間を増やす」ことを優先することで、結果的に回復につながるケースも多く見られます。
学校・外部支援につなぐタイミング
冬休み不登校は、早い段階で支援につながることで回復しやすい傾向があります。学校のスクールカウンセラーや教育相談窓口、外部の支援団体など、相談先は複数あります。
「まだ大丈夫」「もう少し様子を見よう」と家庭だけで抱え込むよりも、第三者の視点を取り入れることで状況が整理されることがあります。
冬休み不登校が長期化しないために大切なこと
冬休みに不登校になる学生は、それまで必死に頑張ってきた結果、心身が限界を迎えているケースが多くあります。
大切なのは、問題を急いで解決しようとしないこと、子どもの状態を正しく理解しようとすること、そして家庭だけで抱え込まないことです。
冬休みは、不登校が固定化するリスクを含む一方で、立て直しのチャンスでもあります。焦らず、比べず、支援につながる選択をすることが、その後の回復への大きな一歩となります。







