
なぜ今、SNS世代の女子高校生の不登校は見えにくいのか
女子高校生の不登校は、以前と比べて「突然始まったように見える」ケースが増えています。しかし実際には、多くの場合、心の中ではかなり前から限界が近づいています。それに親が気づきにくくなっている最大の理由が、SNSの存在です。
かつては、学校でのいじめや成績不振、家庭内トラブルなど、目に見える問題が不登校のきっかけになりやすい時代でした。ところが今の女子高校生は、学校にいる時間以上に、SNS上で人間関係を維持し、評価され、比較されながら生活しています。
学校では笑顔で過ごし、成績も極端に悪くない。家庭内でも大きな反抗はない。それでも、ある日突然「もう学校に行けない」と言い出す。この背景には、親世代には見えない場所で蓄積された疲労と自己否定があります。
SNS世代の不登校は、問題行動として表に出る前に、心の中で静かに進行していく。そのため「兆候がなかった」と感じられやすいのです。
女子高校生にとってSNSが「生活空間」になっている理由
親にとってSNSは、あくまで「娯楽」や「暇つぶし」に見えるかもしれません。しかし女子高校生にとってSNSは、友人関係、自己表現、情報収集、安心感のすべてが詰まった生活空間です。
学校での人間関係は、SNSによって放課後も続いています。グループの空気、友人同士の距離感、立ち位置の確認は、常にSNS上で行われています。そこから離れることは、人間関係そのものから切り離される不安を意味します。
特にTikTokやInstagramでは、「どんな自分を見せるか」「どう見られているか」が常に意識されます。投稿しなくても、見るだけで比較は続きます。楽しんでいるように見える裏で、気を張り続けている女子高校生は少なくありません。
比較・承認・評価が止まらないSNS環境の心理的負荷
SNSの最大の特徴は、他人の「切り取られた成功」や「楽しそうな瞬間」だけが流れてくる点です。女子高校生は、その情報を自分の日常と無意識に比較します。
友達の投稿、知らない同世代の動画、インフルエンサーの発信。それらはすべて、「自分は足りていないのではないか」という感覚を刺激します。勉強、容姿、性格、人間関係。その比較は終わることがありません。
いいねの数、コメントの反応、既読・未読といった細かな要素も、自己評価に直結します。女子高校生の中には、「評価されない自分には価値がない」と感じ始めてしまう子もいます。
この状態が続くと、学校で何か大きなトラブルが起きていなくても、心はすでに疲弊しきっているのです。
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学校より先に心が消耗する「不登校スイッチ」の正体
不登校スイッチとは、ある日突然入るものではありません。日々の小さな違和感や疲労、自己否定が積み重なった結果、最後の一押しで作動します。
それは「友達の何気ない投稿」かもしれませんし、「グループ内での些細な温度差」かもしれません。あるいは、親や教師の善意の一言が引き金になることもあります。
女子高校生の場合、不登校は「逃げ」ではなく、「これ以上自分を壊さないための防衛反応」であることがほとんどです。学校に行けなくなった時点で、すでに限界を超えているケースが多いのです。
親が気づきにくいSNS起因の不登校サイン
SNSが原因の不登校は、分かりやすい反抗や問題行動として表れにくい特徴があります。むしろ、次のような変化がサインになることがあります。
・スマホを手放さないが、楽しそうではない
・投稿は減ったのに、閲覧時間だけが長い
・学校の話題を極端に避ける
・些細なことで涙ぐむ、自己否定的な発言が増える
これらは「思春期だから」「よくあること」と見過ごされがちですが、積み重なると不登校につながります。
「SNSをやめさせる」が逆効果になる理由
不登校とSNSを結びつけて考えると、「スマホを取り上げればいい」「SNSをやめさせれば回復する」と考えたくなるかもしれません。しかしこれは多くの場合、逆効果になります。
SNSは、女子高校生にとって唯一の外との接点や安心できる居場所になっていることがあります。それを突然断たれると、孤立感と不安が一気に強まります。
問題はSNSそのものではなく、SNSの中で無理をし続けている状態です。親がすべきなのは排除ではなく、理解と調整です。
女子高校生が親に本当に求めている関わり方
不登校になった女子高校生が親に求めているのは、正論でも解決策でもありません。「分かろうとしてくれる姿勢」です。
アドバイスよりも、「そう感じていたんだね」「それはしんどかったね」と受け止められることで、初めて安心感が生まれます。親が焦りを抑え、評価を手放すことが、回復の第一歩になります。
不登校スイッチが入った直後に親ができる対応
不登校が始まった直後は、将来への不安が一気に押し寄せます。しかし、この時期に最優先すべきは、心と体を休ませることです。
登校刺激を急がず、生活リズムを整え、安心できる家庭環境を保つ。必要に応じて、学校や外部支援とつながることも大切です。
SNS時代に学校復帰だけをゴールにしない支援の考え方
SNS世代の不登校支援では、「元に戻す」ことよりも、「その子に合った道を再構築する」視点が求められます。
学校復帰、通信制、フリースクール、オンライン学習。選択肢は一つではありません。不登校の経験は、決して将来を閉ざすものではなく、自己理解を深める時間にもなり得ます。
親が味方であり続けること。それが、SNS時代を生きる女子高校生にとって最大の支えになります。







