
第1章 対人不安が強い娘に起きていること
もともと人との関わりに緊張しやすい娘さんの場合、社会に出ることは想像以上に大きな負担になることがあります。相手の表情や言葉の裏を深く考えすぎてしまい、「嫌われていないか」「迷惑をかけていないか」と常に気を張っていることもあります。
その状態が続くと、外の世界は安心できる場所ではなく、常に評価される場のように感じられることがあります。ひきこもりは怠けではなく、強い緊張から自分を守ろうとする反応である可能性があります。
親から見ると「なぜそこまで気にするのか」と思えることでも、本人にとっては現実的な恐怖として感じられていることがあります。
第2章 なぜ20代でひきこもりやすいのか
20代は進学や就職など、人生の方向性が大きく動く時期です。周囲と比較しやすく、同級生の活躍が目に入りやすい環境でもあります。
対人不安が強い娘さんにとっては、面接や職場の人間関係は高いハードルになります。うまくいかなかった経験がある場合、その記憶が強く残り、「また同じことになるのではないか」という予期不安につながることがあります。
その結果、挑戦する前から心が疲れ切ってしまい、動かないことで安心を保とうとする状態が続くことがあります。
第3章 「行けば何とかなる」が通用しない理由
親世代は「最初は誰でも緊張する」「行ってしまえば慣れる」と感じるかもしれません。実際にそういう経験をしてきた方も多いでしょう。
しかし対人不安が強い場合、緊張は一時的なものではなく、慢性的なストレスとして蓄積されます。小さな失敗も強く記憶に残り、「やはり自分は向いていない」という思い込みが強まることがあります。
このとき無理に背中を押すと、成功体験よりも恐怖体験が増えてしまうことがあります。問題は意欲の欠如ではなく、不安の強さが行動を上回っている状態にある場合があります。
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第4章 親の励ましが重荷になる瞬間
「まだ若いのだから大丈夫」「考えすぎだよ」という言葉は、安心させたい気持ちから出ているものです。しかし本人はすでに「考えすぎる自分」を責めていることがあります。
励ましが正論に聞こえると、「分かってもらえない」という孤立感が強まることがあります。家庭が安全基地でなくなると、さらに心は閉じやすくなります。
ここで大切なのは、解決策よりも気持ちを否定しない姿勢かもしれません。「そんなことで」と言わず、「それはつらかったね」と受け止めることが安心感につながる場合があります。
第5章 親にできる現実的な関わり方
大きな目標を設定するよりも、小さな安心を積み重ねることが役立つことがあります。生活リズムを整えることや、短時間の外出を提案することなど、負担の少ない行動から始める方法があります。
また、「いつ働くのか」よりも「今どんなことが一番不安か」を聞くことが、対話の入口になることがあります。答えがすぐ出なくても、関心を持ち続ける姿勢が信頼関係を保ちます。
20代娘のひきこもりの背景には、繊細さや真面目さが関係していることもあります。焦らず、比較せず、安心できる家庭環境を維持することが、結果的に回復への土台になる可能性があります。







