深刻化している20代若者の引きこもりの問題。
本記事では、その実態や割合、手遅れになる前の脱出方法について解説します。
学業や就活・仕事での挫折、人間関係の苦手意識、そして精神的な病気など、さまざまな原因が潜んでいます。
小さな目標設定や生活リズムの改善、そして専門家の支援を受けることで、社会復帰への道は開けます。
後悔する前に早急な対策を取りましょう。
20代の若者引きこもりが増加中?割合・人数は
20代の若者の引きこもりは増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。
厚生労働省の調査によると、2016年時点で15歳から39歳までの引きこもりの人数は推計で61万3千人に達しており、そのうち20代は18万8千人と、全体の約3割を占めています。
(参照:ひきこもりの実態と社会的背景・要因の理解|厚生労働省)
引きこもりの原因は様々ですが、学業や就職活動、人間関係の悩み、精神疾患などが挙げられます。特に20代は、進学や就職、結婚など人生の岐路を迎える時期であり、うまくいかないと大きな挫折感や将来への不安を感じることがあります。
また、社会経験が浅いため、人間関係の構築やコミュニケーションに苦手意識を持つ人も多く、引きこもりに陥りやすい傾向があります。
引きこもりから脱出するためには、まずは小さな目標を設定し、達成感を得ることが大切です。また、生活リズムを整え、趣味や興味を見つけることで、社会とのつながりを取り戻すことも重要となります。一人で抱え込まず、家族や友人、専門家に相談することも有効です。
20代の引きこもりは就職できる?
結論から言えば、20代で引きこもり状態にある場合でも就職の可能性は十分にあります。
就職が困難になる理由はいくつか考えられます。
長期の引きこもりによって、社会との接点が減り、仕事に必要なスキルや経験が不足するケース、就活に必要な情報収集や準備が遅れてしまうケース、精神的な不調などがあります。
しかし、これらの課題を一つ一つ克服していくことで、就職は可能です。
就職活動は、誰にとっても簡単なものではありません。
しかし、前向きに努力することで、必ず希望する仕事を見つけることができます。
もし、就職活動で行き詰まったり、不安を感じたら、一人で抱え込まず、周りの人に相談したり、専門家のサポートを受けましょう。
20代という若い世代であれば、社会復帰の可能性は十分にあります。諦めずに、一歩ずつ前進していきましょう。
20代の若者が引きこもりになる原因
20代の若者が引きこもってしまう原因はさまざまです。
下記のような要因が複雑に絡み合い、引きこもりへと進んでしまうケースが多いようです。
- 学業、就活・仕事での挫折
- そもそも就職への意欲がすくない
- 人間関係の苦手意識を感じた
- 精神的な病気が悪化した
- 将来への不安ある
- 相談相手がいない
それでは一つずつ解説していきます。
学業、就活・仕事での挫折
20代は人生の転換期であり、学業や就活、仕事など様々なプレッシャーに直面します。これらの場面で挫折を経験すると、自信を失い、社会参加への意欲が低下してしまうことがあります。
具体的には、以下のような挫折が引きこもりのきっかけになる可能性があります。
- 学業では、成績不振や受験失敗、いじめなどによる挫折
- 就活では、希望の企業に就職できなかったり、就職活動自体がうまくいかなかったりすることによる挫折
- 仕事では、人間関係のトラブルや仕事内容への不満、職場環境への適応が困難なことによる挫折
これらの挫折は、本人にとって大きな打撃となり、引きこもりのきっかけになる可能性があります。
挫折は誰にでも起こり得ることですが、適切な支援を受け、前向きな気持ちを取り戻すことで、社会復帰を目指すことが重要です。
そもそも就職への意欲がすくない
就職への意欲が低いことが大きな要因のひとつとされています。
厚生労働省の調査によると、20代の無業者のうち、約半数が「仕事に就きたいと思わない」と回答しています。これは、他の年代よりも高い割合です。
就職への意欲が低い理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 学歴やスキルに自信がない
- 人間関係が苦手
- 将来への不安
- 相談相手がいない
などが挙げられます。
これらの要因が重なり、就職への意欲が低下し、引きこもってしまうケースが多く見られます。
人間関係の苦手意識を感じた
20代で引きこもる人の多くは、人間関係の苦手意識を感じている傾向があります。学校や職場、友人関係など、さまざまな場面で人間関係のストレスを感じ、人との接触を避けるようになってしまうケースが多いです。
人間関係の苦手意識の原因は、コミュニケーションが苦手、対人恐怖症、いじめや虐待の経験、発達障害、家庭環境など、さまざまな要因が考えられます。
人間関係の苦手意識は、誰にでもあるものです。しかし、放置しておくと、引きこもりの原因となることもあります。
精神的な病気が悪化した
20代の引きこもりは、精神的な病気を悪化が引き金になるケースもあります。
ストレス、不安、うつ病、社会不安障害などの精神疾患は、引きこもりにつながることもあれば、引きこもりが悪化させる可能性もあります。
精神疾患は、引きこもりの人の生活に大きな影響を与えます。彼らは、家を出ることに不安を感じたり、人と交流するのが難しくなったりするかもしれません。また、集中力ややる気を失ったり、睡眠や食事に問題を抱える可能性もあります。
精神疾患を患っている引きこもりの人は、専門家の助けが必要です。
将来への不安ある
将来への不安は、20代の引きこもり が陥りやすい心理状態の一つです。
社会に出ることに対する不安、就職活動への不安、将来のキャリアに対する不安などが挙げられます。
20代は人生の重要な時期であり、進学や就職、結婚など、将来を考える機会が多い時期でもあります。
他人と自分を比べてしまい将来への不安を感じるかもしれません。
しかし、この時期に引きこもりになると、社会との接点が少なくなり、情報収集や人との交流の機会が減ってしまいます。
そのため、将来に対する不安が募り、ますます引きこもりがひどくなってしまうという悪循環に陥りやすいのです。
将来への不安を解消するためには、まずは自分の不安の原因を明確にすることが大切です。
具体的には、どのようなことに不安を感じているのか、その不安は現実的なものなのか、どのような方法で解消できるのかなどを考えてみましょう。
相談相手がいない
相談相手がいないことは、20代の引きこもりにとって大きな問題です。親や兄弟などに相談しづらい、友人がいない、そもそも人と関わるのが苦手など、様々な理由で相談相手がいないケースは少なくありません。
相談相手がいないと、一人で悩みを抱え込み、不安や焦燥感で心がすり減ってしまいます。
また、問題解決の糸口が見つからず、引きこもりが長期化してしまう可能性もあります。
一人で悩まず、誰かに相談することで、心が軽くなり、一歩踏み出す勇気が湧いてくるかもしれません。
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20代の引きこもりから脱出する方法
20代の引きこもりから脱出するためには、いくつかの具体的な方法があります。
- 小さな目標を設定する
- 生活リズムを整える
- 趣味や興味を見つける
- 社会とのつながりを持つ
これらの方法は、個々の状況に応じて適用することが重要です。
小さな目標を設定する
20代の引きこもりは増加傾向にあり、その割合は少なくありません。しかし、早めの対策で脱出することは可能です。ここでは、その方法の一つとして「小さな目標の設定」をご紹介します。
なぜ小さな目標が必要なのか?
引きこもり状態が続くと、自信を失ったり、やる気をなくしたりしがちです。大きな目標をいきなり設定しても、達成できずに挫折してしまう可能性が高くなります。そこで、まずは小さな目標を立て、成功体験を積み重ねることが大切です。
『小さな目標の立て方』
- 【日常生活のレベルから始める】
まずは、起床時間や食事時間などを決めて、規則正しい生活リズムを取り戻すことから始めましょう。 - 【興味のあることから始める】
好きな趣味や興味のある分野から始めてみましょう。無理のない範囲で、少しずつ活動範囲を広げていきましょう。 - 【具体的な目標にする】
「毎日30分散歩する」「週に1回人と会う」など、具体的な目標を設定することで、達成しやすくなります。 - 【達成したら自分を褒める】
目標を達成したら、自分を褒めてあげましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、自信につながります。
小さな目標を達成することで、自信とやる気を回復し、徐々に社会復帰への道を歩むことができます。焦らず、ゆっくりと進めていきましょう。
生活リズムを整える
20代の引きこもりから脱出する方法として、生活リズムを整えることが挙げられます。
引きこもりは、不規則な生活リズムになりがちです。
朝起きるのが遅く、夜更かしをしてしまうことで、体内時計が乱れてしまいます。体内時計が乱れると、自律神経のバランスが崩れ、うつ病や不安障害などの精神疾患を発症するリスクが高まります。
生活リズムを整えるためには、まず規則正しい睡眠リズムを作ることが重要です。
毎日決まった時間に寝起きすることで、体内時計をリセットすることができます。
また、日中は太陽の光を浴びるようにしましょう。太陽の光を浴びることで、セロトニンという神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは気分を安定させる作用があり、うつ病の改善にも効果があります。
さらに、適度な運動も生活リズムを整えるのに効果的です。運動をすることで、ストレス解消や気分転換になります。また、運動をすることで、夜ぐっすり眠れるようになります。
生活リズムを整えることは、引きこもりから脱出するための第一歩です。規則正しい生活を送ることで、心身ともに健康になり、社会復帰への道を切り開くことができます。
趣味や興味を見つける
20代の引きこもりから脱出するためには、社会とのつながりを持つことが大切です。
趣味や興味を通じて新しい人と出会い、交流することで、社会復帰への一歩を踏み出すことができます。
趣味や興味は、何も特別なものでなくても構いません。
アニメや漫画、ゲーム、音楽、スポーツなど、自分が楽しめるものであれば、何でも良いでしょう。インターネットやSNSなどを活用して、同じ趣味を持つ人と交流することもできます。
また、地域のカルチャーセンターや公民館などで開催されている講座やイベントに参加してみるのも良いでしょう。新しい知識や技術を学ぶことができ、新たな出会いの場となるかもしれません。
趣味や興味を見つけることで、引きこもりの悩みから解放され、社会復帰への道を切り開くことができるでしょう。
社会とのつながりを持つ
20代の引きこもりは、社会とのつながりが希薄になりやすい傾向があります。
引きこもりが長引くと、人とのコミュニケーションが苦手になったり、社会生活への不安が強くなったりすることもあります。
社会とのつながりを持つことが、引きこもりからの脱出に重要な役割を果たします。方法はいくつかあります。
- 【地域のコミュニティに参加】
地域のイベントやサークルに参加することで、新しい人と出会い、交流することができます。 - 【ボランティア活動】
ボランティア活動は社会貢献にもなり、達成感を得ることで自信にもつながります。 - 【オンラインコミュニティに参加】
オンラインコミュニティは、自宅にいながら人とつながることができるツールです。同じような境遇の人と交流したり、情報交換したりすることができます。 - 【家族や友人と積極的にコミュニケーション】
家族や友人とのつながりは、精神的な支えになります。積極的にコミュニケーションを取ることで、孤立を防ぐことができます。
社会とのつながりを持つことは、引きこもりからの脱出だけでなく、自立や再就職にもつながります。自分に合った方法を見つけて、一歩踏み出してみましょう。
手遅れになる前に専門家への相談も検討
20代の引きこもりは早期解決が重要です。
そのままの状態が続くと社会復帰が困難になる可能性があります。しかし専門家の助けがあれば解決への道筋が見えてくるでしょう。
まずは勇気を出して一歩踏み出しましょう。専門家の支援があれば明るい未来が見えてくるはずです。
医療機関を利用する
20代の引きこもりは、医療機関への相談も検討しましょう。
特に、医療機関は精神的な悩みや疾患の治療を受けれます。
専門医によるカウンセリングや治療により、引きこもりの根本的な原因に対処し、社会復帰への道を切り開くことができます。
医療機関では、次のようなサポートが受けられます。
- 【精神科への受診】
医師による診察とカウンセリングを通して、適切な診断と治療方針を決定します。 - 【心療内科への受診】
引きこもりが原因で生じる身体的な不調や不安、焦燥感などの症状の緩和を図ることができます。 - 【精神保健福祉センターへの相談】
専門の相談員が引きこもりの悩みや不安に寄り添い、精神医療の利用や生活支援に関する情報提供を行っています。
医療機関の利用は、早期発見・早期治療につながり、回復への道を早めることができます。一人で悩まず、まずは相談してみましょう。
支援団体へ相談する
20代の引きこもりが増加傾向にありますが、手遅れになる前に専門家に相談することも選択肢の一つです。特に、支援団体は、適切なアドバイスや支援を提供してくれるでしょう。
また、支援団体は、引きこもりに関する専門的な知識と経験を持ち、情報提供や居場所づくりなどを行っています。
一人で悩まず、まずは相談してみることをおすすめします。専門家のサポートを受けながら、少しずつでも前に進んでいきましょう。
専門家があなたの家族に寄り添います。
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まだ諦めるには早すぎます。
私たち『らいさぽセンター』は多くの引きこもりの若者たちとそのご家族に寄り添ってきました。
まずは、引きこもり支援の専門家にあなたの話を聞かせてください。
20代の引きこもりに関するよくある質問
ここでは、20代の引きこもりに関するよくある質問をいくつか挙げていきます。
- 20代で引きこもりになる女性の原因は?
- 20代の娘がニートになりました、今後どうすべきですか?
- 20代で引きこもりは手遅れですか?
これらの質問は、それぞれ深い考察と個別具体的なアドバイスを必要とするものであり、簡単な回答で解決できるものではありません。
しかし、共通して言えることは、適切な対応と身近な人の支援が極めて重要ということです。
20代で引きこもりになる女性の原因は?
20代の女性が引きこもってしまう原因は下記のように様々です。
- 学業や就職・仕事での挫折
- 就職への意欲の低さ
- 人間関係の苦手意識
- 精神的な病気の影響
- 将来への不安や孤独感
単一の要因ではなく、複合的な要因が絡み合っていることが多く、一人一人状況は異なります。
大切なのは、本人の気持ちに寄り添い、焦らずゆっくりと社会復帰を目指していくことです。
20代の娘がニートになりました、今後どうすべきですか?
まずは、娘さんの状況を把握することが大切です。
引きこもりの原因は人によって様々ですが、20代の場合、学業や就職活動での挫折、人間関係の悩み、精神的な病気などが原因となっているケースが多いです。
娘さんとじっくり話し合い、なぜニートになったのか、本人の気持ちや希望を聞いてみましょう。
そして、専門家への相談を検討しましょう。医療機関や支援団体では、カウンセリングや生活支援などのサポートを受けることができます。
また、親御さん自身も専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応方法を学ぶことができます。焦らず、娘さんと一緒に解決方法を探していきましょう。
20代で引きこもりは手遅れですか?
20代の引きこもりは辛いかもしれませんが、決して手遅れではありません。
まず、学業、就活・仕事での挫折、就職への意欲の低さ、人間関係の苦手意識、精神的な病気の悪化、将来への不安、相談相手がいないなど、多様な原因を理解することが重要です。
専門家の支援を受け、生活リズムを整え、趣味や興味を見つけ、社会とのつながりを持つなど、小さなことから始めて徐々に社会復帰を目指しましょう。
諦めずに一歩ずつ前進することが大切です。
まとめ|後悔する前に20代の引きこもりには早めの対策を
20代で引きこもる若者は、近年増加傾向にあります。
その数は約61万3,000人と推計され、深刻な社会問題となっています。
引きこもりの原因としては、学業、就活・仕事での挫折、そもそも就職への意欲がすくない、人間関係の苦手意識を感じた、精神的な病気が悪化した、将来への不安、相談相手がいない等が挙げられます。
引きこもりからの脱出には、早めの対策が重要です。
まずは小さな目標を設定し、生活リズムを整え、趣味を見つけて、社会とのつながりを持つようにしましょう。
もし自分一人で解決するのが難しい場合は、専門家への相談も検討しましょう。
カウンセラーや精神科医など、専門家はあなたをサポートするために存在しています。
一人で抱え込まず、専門家と一緒に問題解決に取り組んでいきましょう。