
第1章 40代で退職後ひきこもりが起きる背景
40代で仕事を辞めたあと、外に出られなくなる状態に戸惑う親御さんは少なくありません。若い頃のように「すぐ次が見つかるだろう」と思えない年齢であることもあり、将来への不安が強まりやすい時期でもあります。
40代は社会的な責任や役割を長く担ってきた世代です。だからこそ退職は単なる職場の変化ではなく、自分の存在価値そのものが揺らぐ出来事になりやすい側面があります。長年積み上げてきたキャリアや人間関係が一度途切れることで、想像以上に心の負担がかかることがあります。
親の立場から見ると「まずは次を探してほしい」と思うかもしれません。しかし本人の内側では、気力が落ち込み、動き出すためのエネルギーが湧きにくい状態になっている場合もあります。
第2章 「少し休む」が長期化する理由
退職直後は「少し休めばまた動ける」と本人も考えていることが多いようです。しかし次の予定が決まっていない休養は、区切りが曖昧になりやすい傾向があります。
履歴書を書くこと、求人を見ること、面接に行くこと。どれも大きなエネルギーを必要とします。うまくいかなかった経験がある場合は、再挑戦そのものが怖く感じられることもあります。
その結果、動かない日が増えていきます。そして「動けていない自分」を意識するほど、さらに動きにくくなるという循環が生まれることがあります。これは怠けではなく、失敗を避けようとする心の防衛反応とも考えられます。
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第3章 外に出られなくなる心理メカニズム
外に出られなくなる背景には、他人の視線への過敏さが関係している場合があります。近所の人や知人に会ったとき、「今は何をしているのか」と問われる場面を想像するだけで緊張が高まることがあります。
特に40代は「働いていて当然」という社会的な前提を強く感じやすい世代です。そのため無職である自分をどう説明すればよいのか分からず、外出そのものを避けるようになることがあります。
やがて外出は単なる行動ではなく、現実と向き合う象徴のような存在になります。こうして外に出ないことで心を守ろうとする状態が続くと、孤立が固定化していくことがあります。
第4章 親の声かけが届きにくい理由
親御さんは心配だからこそ声をかけます。「そろそろ動いたらどうか」「このままで大丈夫なのか」と伝えたくなるのは自然なことです。
しかし本人はすでに自分を責め続けている可能性があります。そこへ正論が重なると、さらに自己否定感が強まることがあります。家庭が安心できる場所ではなく、「評価される場所」のように感じられると、心はより内側に向かいやすくなります。
ここで重要なのは、解決策を急ぐよりも、存在そのものを否定しない姿勢を保つことかもしれません。働いていなくても、今は動けなくても、家族であることは変わらないという空気が土台になります。
第5章 家族ができる現実的な関わり方
大きな変化を求めるよりも、小さな日常の回復を支える視点が役立つことがあります。昼夜のリズムを整えることや、短時間の外出を一緒に提案することなど、負担の少ない行動から始める方法もあります。
また、「どうして働かないのか」ではなく、「今どんな気持ちなのか」と尋ねることが、対話の入口になることもあります。答えがすぐ返ってこなくても、関心を持ち続ける姿勢が安心感につながる場合があります。
40代で退職後ひきこもりになる背景には、複雑な心理が絡み合っていることが少なくありません。焦りや怒りだけで向き合うのではなく、時間がかかる可能性を受け止めながら伴走する視点が、結果的に回復への近道になることもあります。







