「引きこもりとはどこから?定義が知りたい」
「引きこもりになってしまう原因が知りたい」
引きこもりと聞くと、家から一歩も出ない、誰とも会話をしない状態を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際には引きこもりの範囲は幅広く、多様な背景が存在するのです。
本記事では、引きこもりの定義や現状、原因や特徴などについて詳しく解説します。また、引きこもりの人に対する具体的な支援方法や、引きこもり状態にある家族を持つ人ができる対応策についても紹介します。
「家から出たくない」「学校や仕事に行きたくない」と感じている人や、家族の引きこもりが心配な人にも参考になる内容となっていますのでぜひ参考にしてください。
\この記事のポイント/
引きこもりとは?定義
ひきこもりとは、厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」によると、以下の状態を指します。
”様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)”
このように、ひきこもりは自宅から一歩も出ない者を指すのではなく、他者と関わらない形での外出を含むことがわかります。
さらに、引きこもりの定義に合わせた現状について詳しく見ていきましょう!
引きこもりの人数
内閣府の引きこもりに関する全国調査によると、15〜69歳を対象とした引きこもりの人数は、令和4年時点で約146万人と推計されています。
若年層から中高年層まで引きこもりが広がっている現状が明らかになりました。
引きこもりの人数の内訳(推計値)
年齢層 | 人数 |
---|---|
若年層(15~39歳) | 約54万人 |
中高年層(40~69歳) | 約61万人 |
全体(15~69歳) | 約146万人 |
引きこもりの人数が146万人に増加していることは深刻な社会問題であり、幅広い年齢層を対象とした支援策の必要性が高まっています。
引きこもりの年齢層
厚生労働省によると、15〜39歳の若年層では25〜29歳が最も多く、中高年層の40〜69歳では60〜64歳が最も高い割合を占めています。
15~39歳の引きこもり | 40~69歳の引きこもり | |
---|---|---|
最も多い年齢層 | 25~29歳(23.6%) | 60~69歳(36.0%) |
男女比 | 男性 53.5% 女性 45.1% | 男性 47.7% 女性 52.3% |
引きこもりは若年層では20代後半、中高年層では60代前半に多く見られる傾向にあります。
年齢層ごとに生活環境や社会的な状況が異なるため、引きこもりの背景や原因も異なり、それに応じた支援が必要です。
引きこもりの期間
厚生労働省によると、引きこもり状態が「7年以上」の人は15〜39歳と、40〜64歳のいずれの年齢層でも20%以上に上り、引きこもりの長期化が見られます。
また、「3年以上」の引きこもり状態の人は、全体の約半数を占めており、社会復帰に向けた早期支援が重要とされています。
「7年以上」引きこもり状態にある割合 | 「3年以上」引きこもり状態にある割合 |
---|---|
15~39歳、40~69歳ともに20%以上 | 約半数が該当 |
引きこもりの長期化は深刻な課題であり、特に3年以上や7年以上のケースでは、早期の介入と継続的な支援が必要です。
引きこもりの期間が長くなるほど、回復へのハードルが高くなるため、社会的な支援体制の充実が求められます。
引きこもりになる原因
引きこもりになる原因は、心理的な問題、職場環境、人間関係、家庭内の問題などさまざまです。原因を明らかにしないまま対策を進めても、根本的な解決には至りません。
どんな解決策をとるにしろ、引きこもりの改善には原因を明らかにするのことが第一です。そのうえで、当事者が自分の居場所を見つけるのが社会復帰への一歩となります。
ここからは、引きこもりを引き起こす主な原因について詳しく解説していきます。
- 人間関係のストレス
- 家庭環境
- 仕事や学業での失敗
- ゲームやインターネットへの依存
- 病気や精神疾患
人間関係のストレス
人間関係によるストレスは、ひきこもりの大きな原因の一つです。
特に学生時代のいじめや職場での対人関係の問題が、ひきこもりのきっかけとなる場合が多いためです。
学生時代にいじめを受けた経験がある人は、人間関係に対する恐怖心を抱きやすく、不登校を経てひきこもりになる場合があります。
また、職場で性格の合わない上司と仕事をするとストレスを感じ、他人と接すること自体を避けるようになるケースもあります。
環境の変化が大きな影響を与える場合も多く、入学や就職のタイミングで新しい場に馴染めない孤独感や、人間関係の摩擦からひきこもりに至る人も少なくありません。
家庭環境
家庭環境の問題は、子どもの自己肯定感を低下させ、ひきこもりを引き起こす要因の一つです。
ひきこもりの子どもを持つ親には、以下の共通点があります。
- 愚痴や不満が多い
- 子どもの話を聞かない
- 子供に意見を押し付けコントロールしようとする
親が子どもの小さな失敗に対して毎回指摘や愚痴を繰り返す場合、子どもは次第に自分に自信を持てなくなります。
話をしてもすぐに怒られる経験が続くと、子どもは「どうせ話しても無駄だ」と感じ、心を閉ざしてしまうのです。
子どもが話を聞いて欲しいだけの時でも、親が怒ったりダメ出しやアドバイスを繰り返したりすると、子どもは親に心を開けなくなるでしょう。
仕事や学業での失敗
仕事や学業での失敗が、ひきこもりのきっかけになる場合もあります。
特に受験や就職活動の失敗は、人生の大きな分岐点として捉えられるため、挫折感は大きく絶望的な気持ちになりやすいです。
例えば、大学受験に失敗した人が、「自分はもう社会に出てもなんの意味もない」と感じてしまい、引きこもりになるケースがあります。
また、就職活動で何度も不採用が続くと、将来に対して不安を抱え、ひきこもりがちになる人もいます。
中高年の場合は、「もう遅い」「何もかも手遅れ」という思い込みや、周囲からの視線を気にするあまり、自宅にこもる時間が増えやすくなる人もいるでしょう。
ゲームやインターネットへの依存
ゲームやインターネットへの依存は、現実逃避の一環として引きこもりに繋がりやすいと考えられます。SNSやオンラインゲームの発達によりリスクが拡大したためです。
内閣府の「こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)」によれば、15~39歳のひきこもりの人は、家庭や学校、職場などの”現実”に居場所を感じる割合が低い一方で、SNSやインターネット空間を居場所と考える割合が高い傾向にあります。
最初は学校や仕事に行けていた人でも、ゲームやSNSに依存すると徐々に休みがちになり、最終的には社会生活から遠ざかるケースもあります。昼夜が逆転し、不健康な生活を送る人も少なくありません。
病気や精神疾患
精神疾患やその傾向を持つ人は、心を守るための防衛反応として、ひきこもり状態になりやすいと言われています。これは誰にでも起こり得る問題であり、決して他人事ではありません。
うつ病やパニック障害などの精神疾患を抱える人は、自分を守ろうとする意識が強くなるので、外部の刺激を避けようとする傾向があります。
診断を受けていない場合でも、以下のような症状がある人は注意が必要です。
- 責任感が強く、イライラや焦りを感じやすい
- 傷つきやすく、自信が持てない
- 周囲に信じられる人がいないと感じる
- 人に助けを求められない
- 外部刺激に対して敏感である
- 自分以外の人に期待や求めすぎてしまう
ひきこもりは、心の負担を軽減するための自然な防衛反応ですが、その状態が長期化すると問題が深刻化する可能性があります。
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引きこもりになりやすい人の特徴
引きこもりになりやすい人には、いくつか共通する傾向や性格的な特徴が見られます。
必ずしも引きこもりを引き起こす直接的な原因になるわけではありませんが、影響を与える可能性があります。
- 完璧主義で失敗を極端に恐れる
- 自己肯定感と自己効力感が低い
- 内向的でコミュニケーションが苦手
- 人の目や評価を気にしすぎてしまう
- 自分以外の人に期待や求めすぎてしまう
- 不満を表に出さず溜め込みやすい
- 過去のトラウマや挫折経験にとらわれている
- ストレスへの対処方法がない・限られている
ここでは、引きこもりになりやすい人の特徴について詳しく解説します。
それぞれの特徴を理解し、引きこもりへの予防や適切なサポートの参考にしてみてください。
完璧主義で失敗を極端に恐れる
引きこもりになりやすい人の特徴として、完璧主義や真面目すぎる性格が挙げられます。
真面目でがんばり屋の人は、失敗を極端に恐れ、常に高い目標を掲げて努力し続ける傾向があります。
例えば、一度学校や仕事を休むと責任を強く感じ「もっと頑張らなければ」と自分にプレッシャーをかけてしまいがちです。
この状態が続くと、自分を責める気持ちが強くなり、自分でも気づかないうちにストレスを溜め込み、引きこもりが長期化する可能性が高まります。
頑張りすぎず、時には自分を認めてあげましょう。
自己肯定感と自己効力感が低い
引きこもりになりやすい人の特徴として、自己肯定感や自己効力感が低い人も挙げられます。
自己肯定感とは
「自分は愛されている」「自分は他人に必要とされている」と感じる力や感覚 |
自己効力感とは
目標を達成するための能力を自分が持っている」と信じる力や感覚 |
自己肯定感が低い人は「自分の存在意義がない」と感じ、自分を否定し続けてしまいます。
自己効力感が低い人は「どうせ自分には無理だ」と考え、困難な状況に直面すると消極的な態度を取る傾向があります。
このような人々は、いじめを受けた経験がある場合や、親に考えや行動を否定されて育った背景を持つ場合が多いです。
内向的でコミュニケーションが苦手
内向的でコミュニケーションが苦手な人は、不満やストレスを溜め込みやすく引きこもりになりやすい傾向があります。
他者との誤解や孤立が生じやすく、自己評価が低下してしまうためです。
例えば、学校で自分の意見をうまく伝えられなかった学生が、クラスメートとの人間関係をこじらせて孤立するケースがあります。
その結果、不満やストレスが蓄積し、次第に周囲との距離を置くようになるのです。最終的には学校を休むようになり、引きこもりに発展してしまいます。
自分の気持ちを適切に表現するスキルや、周囲との良好な関係を築く方法を少しずつ学んでいくと、引きこもりの予防につながるでしょう。
人の目や評価を気にしすぎてしまう
人の目や評価を気にしすぎる性格は、自尊心が高いので他人からの評価に敏感で引きこもりになりやすい特徴の一つです。
良い評価を得ようと努力しすぎる一方で、思うような評価を得られないと自尊心が傷つき、自己否定感を抱きやすくなります。
また、「自分は使えない人間だと思われている」とネガティブな思考に陥り、ますます人目を避けるようになる傾向があります。
学校や職場では、他人の目を気にするあまりストレスを溜めやすく、次第にそのストレスが引きこもりのきっかけになることも少なくありません。
自分以外の人に期待や求めすぎてしまう
他者に過剰な期待や依存をしてしまう人は、失望や対人関係のストレスを避けるために引きこもりになりやすい傾向にあります。
自分以外の人に理想を求めすぎると、不満や孤独感を感じやすくなるためです。
他者に過剰な期待をしてしまうと、友人に対して「自分の気持ちを理解して当然」と思い込んでしまいます。
期待通りの反応が得られないと、「もう誰とも関わりたくない」と感じてしまうでしょう。
また、承認欲求が強い場合、職場で評価されなかった場合「自分には価値がない」と思い込み、対人関係を避けるようになるケースもあります。
「他人には期待しすぎない」と自分の気持ちを整理すると、引きこもりを防ぐ一歩を踏み出せるでしょう。
不満を表に出さず溜め込みやすい
不満やストレスを表に出さず溜め込みやすい性格は、引きこもりになりやすい特徴の一つです。
特に口下手な人は、感情をうまく表現できず、周囲との関係が悪化してしまうと引きこもりに発展するリスクがあります。
例えば、職場で口下手な社員が上司からの不本意な指摘を受けても反論できず、ただ受け入れるしかない状況が続いた場合、不満が積もりストレスとなります。
また、思春期の子どもが家庭で自分の気持ちを話さず、不満を溜め込んでいる場合も注意が必要です。
親がそのサインに気づけないと、不満が限界を超え、引きこもりにつながるリスクがあります。
特に思春期の子どもには親が気を配りながら小さなサインを見逃さないようにしましょう。
過去のトラウマや挫折経験にとらわれている
過去のトラウマや挫折経験にとらわれている人も、引きこもりになりやすい特徴の一つです。
特に、いじめなどの辛い経験は感情や行動に深い影響を与え、社会的な場面を避ける引きこもりのきっかけになるためです。
例えば、学生時代にいじめを受けた人が、学校に行けなくなり、集団活動を避けるケースがあります。
最初は自室に一時的に引きこもることで安心感を得られますが、フラッシュバックにより当時の苦痛を繰り返し思い出し、孤立感を感じてしまうのです。
また、職場でのパワーハラスメントなどの経験がトラウマとなり、仕事だけでなく他の集団活動も避けるケースもあります。
過去のトラウマや挫折経験は、ひきこもりを引き起こす重大な要因です。
ストレスへの対処方法がない・限られている
ストレスへの対処方法がない人は、心理的負担が蓄積しやすく引きこもりに陥る可能性が高まります。
限られた方法だけに依存してしまうと、根本的な問題解決には至らず、自己否定感を強める悪循環に陥る場合があるためです。
職場の人間関係に悩み、解決策を見つけられずにストレスを抱えると、欠勤や退職を繰り返し、社会との接点を徐々に失っていく場合があります。
また「自分は何をやってもダメだ」という強い自己否定感を抱き、現実から逃避する要因となる場合も少なくありません。
引きこもりの精神状態は?
引きこもり状態にある人々は、心理的に大きな負担を抱えていることが少なくありません。ストレスや不安、自己否定感など、さまざまな感情が複雑に絡み合い、日常生活や社会活動への意欲を失っている可能性が高いです。
ここでは、引きこもりの人が抱える代表的な精神状態について詳しく解説します。
精神面での課題を理解し、適切なサポートやアプローチを考える参考にしてください。
引きこもりであることの強い罪悪感や焦り
引きこもりの人は、社会で役割を果たせていないという強い罪悪感や焦りを感じています。
社会のレールから外れた焦りも加わり、心の葛藤が精神状態を不安定にするからです。
例えば、親が「たまには外に出てみたら?」と声をかけた場合、本人がさらに自分を責め、気持ちが不安定になるケースがあります。
部屋に閉じこもりがちになったり、イライラが親に向けられたりして暴言を吐いてしまう場合もあるでしょう。
一方で、家族が適切な距離を保ちながら接すると、本人が落ち着きを取り戻し少しずつ前向きな気持ちを取り戻せる場合もあります。
自分を責め続け、罪悪感や焦りに苦しんでいる状態で無理に行動を促すよりも、安心感を与える環境を作ってあげましょう。
助けや理解を求めるがためらう気持ち
引きこもりの人は、助けや理解を求めたい気持ちを抱えながらも、それをためらう心理に陥りやすいです。
心の奥底では「何とかしたい」「自分のことを理解してほしい」と思っていますが、家族への負担や自分への不安が行動を妨いでいるためです。
例えば、家族に対して「迷惑をかけたくない」という気持ちがある一方で「自分の状況をわかってほしい」という矛盾した思いを抱えるケースがあります。
また、カウンセリングや相談を考えても「どうせ解決しないだろう」と感じ、行動に移せない場合も多いです。
自分に対する失望感から「いっそ消えてしまいたい」と思いながらも、内心では現状を変えたいと願っている人も少なくありません。
引きこもりの人は、助けを求める気持ちと、それをためらう気持ちの間で葛藤しています。
家族や周囲が理解を示し、安心して相談できる環境を提供しましょう。
周囲や社会への不信感
引きこもりの精神状態は、周囲や社会への不信感を抱いています。
引きこもりの人は、一見するとゲームやビデオに没頭しているように見えますが、実際には心から楽しんでいるわけではありません。
心の中では、家族の期待や不安を敏感に感じ取り、過剰に反応しているためです。
引きこもりの精神状態は、家族や社会への不信感、過去の経験からくる自己否定感、さらには疲弊した心身によって悪循環に陥りやすいです。
過去のトラウマを思い出してしまい夜も熟睡できなくなり、昼間に無気力な状態で長時間眠り続けるケースもあります。
周囲の理解と支援を通じて、安心感や信頼感を取り戻すことが重要です。
社会復帰への恐怖心
引きこもりの人は、過去の恐怖体験や未知への不安から社会復帰に対して恐怖心を感じています。
人は、過去の恐怖体験や予測できない状況に対して不安を覚える生き物だからです。
例えば、職場での恐怖体験がきっかけで退職した場合、社会との接点が減るにつれて社会の仕組みが分からなくなり、新たな恐怖心を生みます。
「働かなければいけない」と理解していても行動に移せない状態が続くのです。
また、「面接で無職の理由を聞かれたらどうしよう」「前職の話を聞かれたらなんて答えよう」といった具体的な不安が、働く意欲を持っていても行動を妨げてしまう場合もあるでしょう。
自分自身に対する自己評価が低下し、さらに自信を失う悪循環に陥りやすくなります。
まずは自分自身のケアから始め、少しずつ自信を取り戻していくのが大切です。
引きこもりから脱出するための解決法
引きこもりから抜け出すには、無理のない範囲で一歩ずつ行動を始めるのが重要です。
原因や背景は人それぞれ異なりますが、基本的なアプローチを通じて少しずつ社会とのつながりを取り戻せるでしょう。
ここでは、引きこもりから脱出するための具体的な解決法について詳しく解説します。
焦る気持ちを抑えて自分と向き合う
引きこもりを克服するには、焦りを抑え自分の気持ちや状況と向き合ってみましょう。
自分と向き合い、今の気持ちや現状を理解すると、心が軽くなる可能性があるためです。
自分と向き合うための3ステップをご紹介します。
内容 | 例 | |
---|---|---|
STEP1 | 自分の気持ちを書き出してみる | (例) 「苦しい」 「引きこもってしまっている自分」 「でも外に出るのもつらい」 「外には出たくないができることなら変わりたい」 |
STEP2 | 小さな目標を設定してみる | 1の原因から自分は何ならできそう考えてみます。 (例) 「生活リズムは整えられそう」 「昼夜逆転を直す」 「7時に起きて23時までには寝る」 「朝ごはんと夕飯は家族と食べるようにする」 |
STEP3 | 目標を達成したら自分を褒め できなくても自分を責めない | 2で挙げた目標を達成できたら自分を褒める なぜできたか考えてみる |
もしできなかった場合でも自分を責めるのではなく「まだ自分には早かったのかも」と前向きに考える癖をつけましょう。
上記のステップで自分自身が深層心理で何を考えているのか理解しながら、無理のないペースで進めると少しづつ前向きになれるでしょう。
生活リズムを整える
引きこもりから脱出するには、生活リズムを整えましょう。
生活リズムが整うと、日中に外出しやすくなり、活動の幅を広げるきっかけになるためです。
例えば、以下のような方法で生活リズムの改善を意識してみるといいでしょう。
- 太陽の光を浴びる
- 決まった時間に食事をする
- 適度な運動を取り入れる
- 睡眠のリズムを整える
生活リズムが整うと、自律神経も整うので気持ちが前向きになる可能性もあります。
また、「生活リズムを改善できた」という成功体験が、自信につながる効果も期待できるでしょう。
小さな成功体験を積む
引きこもりを克服するには、小さな成功体験を積み重ねてみましょう。
少しずつできることを増やし小さな達成感を得ると、自信を回復する近道となるためです。
例えば、以下のような行動を目標にしてみるといいでしょう。
- いつもより1時間早く起きる
- 窓を開けて部屋を掃除してみる
- 近所を少し散歩してみる
- 家族以外の人と会話してみる
- 電車やバスなどに乗ってみる
まずは些細なことからでいいので、達成できたら自分を褒めて認めてあげましょう。
小さな成功を達成するたびに自己肯定感が高まり、前向きな行動を取りやすくなります。
失敗を受け入れる
引きこもりを克服するためには、失敗を恐れず受け入れる姿勢も大切です。
引きこもりの人は、失敗への恐怖心が行動を制限している場合が多いからです。
しかし、失敗は学びの機会であり、成長につながるものです。
「失敗しても大丈夫」と思える環境や心構えが、次の一歩を踏み出す力を生みます。
失敗を受け入れるための考え方や行動例は以下の通りです。
- 失敗を共有する
- 失敗を前向きに考え直してみる
- 失敗を許容する環境を整える
あえて自分の失敗と向き合ってみると、意外と失敗そのものよりも気付きや発見があり、気持ちがラクになる場合があります。
失敗から目を逸らすのではなく一度向き合って受け入れてみましょう。
環境を変えてみる
引きこもりを克服するためには、環境を変えてみるのもおすすめです。
環境の変化は小さな一歩であっても大きな心理的効果をもたらすためです。
環境を変えるための具体例は以下の通りです。
- 自宅内の環境を変える
- 小さな外出を試みる
- 家族とのコミュニケーションを増やす
- 新しい習慣を取り入れる
環境を少し変えるだけでも新しい刺激を受けるので行動意欲が湧き、これまでの生活習慣をリセットしやすくなります。
新しい人との交流や物理的な変化が心の切り替えにつながり、自立のきっかけをつかめる可能性もあるでしょう。
第三者からの支援を受ける
引きこもりを克服するためには、家族だけでサポートしようとすると限界が生じる場合もあるので、第三者からの支援を受けましょう。
第三者からの支援を受けると、以下のようなメリットがあります。
- 客観的な視点
- 専門的なアプローチ
- 心の負担を軽減
また、引きこもり支援には以下のような形態があります。
- 通所型:フリースペースなど、居場所を提供しながら段階的に社会とつながる支援
- 宿泊型:共同生活を通じて、生活リズムや自立をサポートする
- 訪問型:スタッフが自宅を訪問し、安心感を与えながら支援を開始する
なかでも、らいさぽセンターは全寮制の自立支援施設として、引きこもりやニート、不登校児を対象に、働きながら生活を整える支援を行っています。
引きこもりを解決するには、早い段階で適切な支援を受けることが不可欠です。
一人で悩まず、まずはらいさぽセンターの無料相談から始めてみましょう。解決の糸口が見つかるかもしれません。
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家族できる引きこもりへの接し方・対応
引きこもり状態の人を支えるには、家族の適切な対応が重要です。
しかし、「どう接すればいいのかわからない」「何をすれば状況が改善するのか」と悩む家族も多いのではないでしょうか。
家族の対応次第で、本人の気持ちが変化し、回復のきっかけになる場合もあります。
ここでは、家族が引きこもりの人に対してできる具体的な接し方やサポート方法について解説します。
安心できる環境を作る
引きこもり当事者にとって、安心できる環境を作ることが回復への第一歩となります。
引きこもりの人は、外部との関わりや自分への評価を恐れている場合が多く、家庭が唯一の安全な場所となっている人が多いからです。
例えば、以下のことを意識してみましょう。
- 無理に外出や就労を迫らない
- 普段の会話を大切にする
- 部屋の外での過ごしやすさを工夫する
- 叱るよりも認める言葉を使う
- 家族自身が冷静でいる
引きこもりの人が安心して過ごせる環境を意識すると、少しずつ心を開き次のステップへ進む準備が整います。
焦らず寄り添いながら、長期的に支えていきましょう。
家族の心の健康を保つ
引きこもりの支援には時間がかかるので、家族自身が心の健康を保ちましょう。
家族が疲弊してしまうと、支援を続けることが難しくなり、家庭内の関係も悪化する可能性があるためです。
例えば、 親や兄弟だけで問題を解決しようとせず、引きこもり支援の専門機関や第三者に相談してみるのもいいでしょう。
また、 家族向けのカウンセリングやサポートグループに参加し、同じ悩みを持つ人々と交流してみると安心感を得られる場合もあります。
役割分担をしながら、家族それぞれもリフレッシュできる時間を作りましょう。
家族自身が心の健康を保つことは、当事者への適切な支援を続けるための土台となります。
無理をせず、家族みんなで支え合いながら行いましょう。
本人の気持ちに寄り添う
引きこもり状態の本人に接する際は、無理に行動を促すのではなく、気持ちに寄り添う姿勢を持ちましょう。
家族が否定的でいると、逆効果になる可能性があるためです。
本人の気持ちに寄り添うために以下のことを意識してみましょう。
- 聞き役に徹する
- 否定せず共感する
- 焦らない対応を心がける
- 小さな行動を認める
- 「いつでも話せるよ」と伝える
引きこもりからの回復には時間がかかりますが、家族だからこそ本人の気持ちに寄り添い、安心感を与えると、次第に心を開いてくれるでしょう。
挨拶や声掛けを心がける
引きこもりの人に対して、日常的に挨拶や声掛けをしましょう。
引きこもり状態では、本人が周囲との関わりを避けがちなので、家族が適度な頻度で声掛けを行うと、孤立感を和らげられます。
例えば「おはよう」や「お疲れさま」など日常的な挨拶を続けると、無理なくつながりを持てます。
また、行動に寄り添った声掛けも効果的でしょう。
リビングに出てきた際には「今日は暖かいね」「何か食べる?」など自然な話題を振り、会話のきっかけを作ってみましょう。
挨拶や声掛けを続けていくと、本人の孤立感を少しずつ和らげ、家族との信頼関係を築きやすくなるでしょう。
長期的な視点で考える
引きこもりへの支援は、焦らず長期的な視点で取り組みましょう。
家族が短期間で結果を求めると、本人にプレッシャーを与え、状況を悪化させる可能性があるためです。
焦らず本人のペースを尊重し、行動が見られなくても準備が整うタイミングを待つ姿勢が大切です。
段階的な回復を理解し「部屋から出る」「家族と話す」など小さな進歩を喜びましょう。
また、短時間の外出や軽い家事など、達成感を得られる行動を見守り、何かできたことに対して前向きに考えましょう。
長期的な視点を持ち、進歩を一緒に喜び合いながら寄り添うのがいいでしょう。
家族だけで悩まない
引きこもり問題に直面すると、家族だけで解決しようとするケースが多く見られます。
家族だけで抱え込むと問題が複雑化したり、家族全員が疲弊したりしてしまう可能性があるため専門機関に相談をしましょう。
引きこもり支援に特化した機関や団体を活用すると、以下のようなサポートを受けられます。
- 専門家のアドバイス: 本人に適したアプローチ方法・家族としての対応の仕方を学ぶ
- 具体的な支援プログラム: 通所型や訪問型・宿泊型など状況に応じた支援を受けられる
- 家族の負担軽減: 第三者が関わり、家族の心理的負担を軽減する
引きこもり支援に特化した全寮制の らいさぽセンター は、本人の自立を目指すための以下の支援を提供しています。
- 実際に働きながら給与を得るプログラム: 自尊心を育み自信を取り戻すサポートを行う
- プライベートを確保した快適な個室: 安心して生活できる環境を提供
- 心身の健康をサポートする栄養バランスの取れた食事: 健康的な生活リズムを整える
- 無料相談の実施:電話やLINE、メールで気軽に相談できる窓口を設置
まずは、らいさぽセンターの無料相談をおすすめします。
家族だけで悩まず、支援の手を借りながら、共に一歩ずつ前進しましょう。
引きこもりに関するよくある質問
引きこもりに関する疑問や不安を抱える方は少なくありません。
ここでは、引きこもりに関するよくある質問に答えながら、理解を深めるための情報を提供します。
引きこもりとニートの違いは何ですか?
引きこもりの人がニートに該当する場合もあれば、ニートでも引きこもり状態でない場合もあります。
引きこもりは、心理的要因が強調される行動状態で、ニートは就学や就労の有無を基準にした社会的なカテゴリです。
引きこもり | ニート | |
---|---|---|
社会的活動の有無 | 自宅に閉じこもり 社会的な関わりがほとんどない | 就学や就労はしていないが、 社会とのつながりを持つ場合もある |
対象年齢 | 年齢に制限はない 子どもから高齢者まで該当する場合もある | 統計上は 15歳から34歳の若年層を指す |
背景や要因 | 心理的、社会的な孤立が主な要因 | 経済的理由や 進学・就職の機会が乏しいことが 要因の場合が多い |
それぞれの特性を理解し、適切な支援や対応を考えましょう。
引きこもりの原因は親の場合もありますか?
引きこもりの原因として、家庭環境や親子関係が影響を与える場合がありますが、唯一の原因ではなく、複合的な要因と絡み合っている場合が多いです。
厚生労働省厚生労働省の「ひきこもり支援施策について」や「ひきこもりの実態と社会的背景・要因の理解」によると、ひきこもりの背景には孤立や困窮といった家庭内の問題が含まれています。
親が引きこもりの一因となる可能性がある具体例は、以下のものが挙げられます。
- 過剰な干渉や管理
- 高すぎる期待
- 批判的な態度
- 家庭内の問題
- 過保護や依存
家庭内の要因を見直し、問題を多面的に捉え専門家のサポートを受けることをおすすめします。
大人の引きこもりの原因はどんなものがありますか?
大人の引きこもりの原因は、社会的・心理的・家庭的要因が複雑に絡み合っている場合が多いです。
主な要因 | 内容 |
---|---|
社会的要因 | 就職活動の失敗・職場での人間関係のトラブル・ストレスによる退職 |
心理的要因 | うつ病・適応障害・発達障害などの精神疾患が引きこもりの背景になりうる |
家庭的要因 | 両親の不仲や離婚など家庭が安心できる場でない場合、外の世界に適応できない |
経済的要因 | リストラや倒産などで収入が途絶え、社会参加の意欲を失う |
高齢化や社会構造 | 終身雇用制度の崩壊や職場環境の変化などの影響 |
大人の引きこもりは、単一の原因ではなく、心理的・社会的要因が複雑に絡み合っています。
原因を特定し、適切な支援を受けることが引きこもりからの回復に繋がるでしょう。
まとめ
今回は、引きこもりとは何か、定義や原因、特徴から対応方法までについて解説しました。本記事の内容を簡単におさらいします。
引きこもりの原因
- 心理的要因:自己否定感、ストレスへの対処不足、過去のトラウマ
- 家庭的要因:過干渉や高すぎる期待、家庭内の不和
- 社会的要因:職場の人間関係や不適応、就職活動の失敗
解決方法
- 小さな成功体験を積む:短時間の外出や簡単な家事から始める
- 生活リズムを整える:太陽光を浴び、規則正しい食事や運動を取り入れる
- 失敗を受け入れる:失敗を学びと捉え、前向きに考える
- 第三者の支援を活用する:訪問型や宿泊型など、適切な支援機関を頼る
家族ができること
- 安心できる環境を作る:無理に外出を促さず、話を聞く姿勢を大切にする
- 長期的視点を持つ:本人のペースに合わせ、焦らず支援を続ける
- 家族もサポートを受ける:専門機関や家族向けカウンセリングを活用する
「引きこもりを克服しなければならない」と焦るのではなく、少しずつ状況を変えていくのを目指すといいでしょう。
引きこもりに関する不安や疑問がある人は、らいさぽに相談からはじめてみてはいかがでしょうか。