「引きこもり支援団体はやばいってほんと?」
「やばい支援団体を回避する方法が知りたい!」
引きこもり支援団体には、厚生労働省が運営している公的な団体のほかに、NPO法人が運営している民間の支援団体も数多くあります。
民間の支援団体の中には、ニュースになるような事件や事故を起こしている団体もあり、「引きこもり支援団体に頼るのはやばいのでは?」と感じている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、やばい引きこもり支援団体の実態と回避するポイントについてご紹介していきます。
支援団体に対して不安がぬぐえない方向けに、支援団体以外の引きこもりについてもご紹介しますので、引きこもり当事者に合った支援選びの参考にぜひ最後までご覧ください。
⇩この記事でわかること⇩
- やばい引きこもり支援団体の実態
- やばくない引きこもり支援団体の見分け方
他にも以下の悩みをもった方におすすめの記事です。
- 引きこもり支援団体の悪い噂が気になる人
- 当事者に合った引きこもり支援を見つけたい人
- 引きこもり支援団体を利用するメリット・デメリットについて知りたい人
引きこもり支援団体が『やばい』と言われる理由
基本的に、引きこもり支援団体の多くは、当事者一人ひとりと真摯に向き合い、自立支援をおこなっているところがほとんどです。
しかし、なかには悪質な支援団体が存在していることも事実であり、ニュースでクローズアップされることが少なくありません。
なぜ引きこもり支援団体が『やばい』と言われるのか、悪質な支援団体の一例をご紹介いたします。
悪質な貧困ビジネスをおこなっている場合がある
やばい引きこもり支援団体の代表例が、生活保護の受給者をターゲットにして囲い込み、生活保護費を搾取している団体です。
こういった団体は、高額な費用を受け取っているにもかかわらず、「食費」や「保険費」などの名目で当事者の生活保護費まで搾取します。
宿泊環境も劣悪なケースが多く、まともな支援はほとんどおこなわれていないことが実態です。
引きこもりの状況を変えるために、家庭環境から離れるのは有効な手段とされています。
しかし、こうしたやばい支援団体の影響から、宿泊型の支援施設は貧困ビジネスをおこなっているという印象が強くなってしまっています。
虐待をおこなっている場合がある
引きこもり支援団体のなかには、暴行や虐待が常習化してしまっているケースがあります。
無理やり部屋から連れ出されて暴言を浴びせられたり、監禁されて暴力を振るわれたりするなど、「支援」とは程遠い対応が常習化。
引きこもり支援団体という性質上、不特定多数が出入りすることが少ないため、暴力や虐待の事実に周りが気づきづらいという点も、事件をエスカレートさせる要因と考えられています。
利用者も暴力の恐怖からSOSを発することができず、施設にいながら心に大きな傷を抱えるという悲しい状態に陥ってしまっています。
無理やり連れ出す「引き出し屋」がいる
引きこもり支援団体が『やばい』と言われる大きな理由の1つとして、「引き出し屋」と呼ばれる存在があります。
引き出し屋とは、引きこもり当事者の同意なく自宅から連れ出し、施設に無理やり入所させる人たちのこと。
家族や親族から依頼を受けているケースがほとんどですが、当人はまったく予告されないまま、いきなり知らない人に連れ出されるため、かなりパニックを起こします。
自宅から出てこない場合は、玄関先で長時間罵倒し続けたり、ドアを破壊して複数人で無理やり連行したりするなど、やり方は悪質そのもの。
入所先の施設は貧困ビジネスを展開していることが多く、真っ当な支援もせずに高額な利用料金を請求するなど、やばい支援団体の代表例ともいえます。
ニュースに取り上げられるような大きな事件に発展しているケースもあり、最も注意したい引きこもり支援団体の1つです。
悪質な引きこもり支援団体がおこした『やばい』事件例
先ほどご紹介したように、悪質な引きこもり支援団体の引き出し屋や虐待による事件は、ニュースで取り上げられているものも多くあります。
ここからは、悪質な引きこもり支援団体が起こした”実際の”やばい事件例を2つご紹介いたします。
やばい支援団体を見分ける1つの情報として、参考にしていただければ幸いです。
①自立支援施設「粋塾」事件(愛知県東海市)
愛知県東海市にあった「粋塾」では、預かっていた児童を代表が経営する建設会社で違法に働かせていた疑いで、2024年5月に逮捕されています。
15歳未満の児童を働かせていた労働基準法違反だけでなく、散弾銃を持たせたという銃刀法ほう助の容疑もあり、複数のメディアで取り上げられました。
粋塾は自社のYouTubeチャンネルで、支援対象者を無理やり連れ出す場面を含めた動画を配信しており、いわゆる「引き出し屋」としての側面も持ち合わせた支援施設であることがわかります。
ネット検索で「粋塾」と入力すると、「事件」「やばい」「違法」などのサジェストワードが表示されるように、かなり悪質な支援団体のようです。
このような支援団体が野放しになる原因として、宿泊制の支援施設は認可制ではなく法規制もないことが挙げられます。
「粋塾」は、2024年7月にも動画をアップしており、今後も活動していく旨の内容を話しています。
出典先:「引き出し屋」という無法地帯(上) 「粋塾」代表ら逮捕で振り返る、新興業者がみるみる台頭した背景(Yahoo!ニュース)
②あけぼのばし自立支研修センター事件(東京都新宿区ほか)
東京都新宿区や熊本県湯前町にあった「あけぼのばし自立支援研修センター」は、対象者を無理やり自室から連れ出したうえ、施設に監禁したとして損害賠償を請求されている施設です。
原告の女性は、2017年10月3日朝9時ごろ、自室のベッドに横になっていたところ、見知らぬ男女が突然部屋を訪れたといいます。
そのうちの1名が名刺を差し出し、あけぼのばし自立支援研修センターに入所するよう求めてきましたが、女性は背中を向けて拒絶。
しかし、スタッフからの説得は7時間以上に及び、最終的には男性スタッフ2名に羽交締めにされ、無理やり車に乗せられたそうです。
そのまま新宿区内の施設に連れられた女性は、24時間監視される部屋に監禁。
恐怖で震えと涙が止まらず、提供される水や弁当を拒否し続け、3日後に衰弱状態で近くの大学病院に運び込まれました。
あけぼのばし自立支援センターだけでなく、引き出し屋による強引な連れ出しの被害を訴える裁判は、近年立て続けに起こっています。
出典先:ひきこもり支援うたう引き出し業者「あけぼのばし自立研修センター」関連2社が倒産(Yahoo!ニュース)
『やばくはない』引きこもり支援団体とは?
それでは、やばくない引きこもり支援団体とはどのような特徴があるのでしょうか?
やばくない引きこもり支援団体の4つの特徴について、それぞれ詳しく解説します。
①引きこもり支援年数が長い
1つ目のポイントとして、引きこもり支援年数が長い団体を選ぶことがおすすめです。
やばい引きこもり支援団体は、ご紹介したような引き出し屋や貧困ビジネスをおこなっていることが多く、事件やトラブルが絶えません。
逮捕や起訴によって支援施設が途中で閉所になるケースもあるため、支援年数の長さは『やばくない』支援団体を見極める1つのポイントになります。
目安としては、10年以上継続して支援を続けている団体がおすすめです。
②責任者が顔出ししている
公式サイトに責任者の顔写真が掲載されているかも、見極める1つのポイントになります。
実は、引きこもり支援団体の公式サイトには、責任者が顔を出していないケースも少なくありません。
何か事件や事故があった際、誰が最終的に責任を取るのかが把握できる状態にある支援団体は、かなり信頼度が高いことがわかります。
責任者の顔や名前のほかに、運営元の会社の名前や所在地も明示してあると、さらに信頼度は高まります。
③利用料金が明示してある
3つ目のポイントは、利用料金が明示してあるかどうかです。
『やばい』支援団体の多くは利用料金を明示していないことが多く、不当に高額な利用料金を徴収したり、生活保護費を搾取したりします。
そのため、1ヶ月にいくらくらいのお金が必要で、どんな支援が受けられるのか、何に使われるお金なのか、ハッキリしている支援団体は信頼度が高いと考えられます。
年払いや月払いが選べるケースもありますが、いつ状態が回復してもいいように、月毎に支払いできる団体の利用がおすすめです。
④本人や家族に寄り添ってくれる
支援団体の見学や相談に行った際、スタッフが親身になって対応してくれるかどうかは、引きこもり支援団体を見つける上で最も大切なポイントです。
引きこもりはその本人だけでなく、家族全体が孤立・困窮の問題を抱えているケースがあります。
利用者本人をフォローする家族が精神的なダメージを負っていることもあり、自立するためには包括的な支援が大切です。
本人・家族それぞれの状態に合わせた支援をおこなってくれる支援団体を選ぶようにしましょう。
ニートが引きこもり支援団体を利用するメリット・デメリット
引きこもりが続きニート状態にある人にとって、引きこもり支援団体を利用するかどうかは、心理的ハードルが高く、避けている人も多いと思います。
しかし、引きこもり支援団体を利用するとさまざまなメリットが得られるため、まずは支援団体などの無料窓口で相談してみることがおすすめです。
ここからは引きこもり支援団体を利用するメリットとデメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
引きこもり支援団体の利用するメリット
- 心が落ち着く
- 家族や周囲への八つ当たりが少なくなる
- 何に悩んでいるのかハッキリする
- 人生に希望が持てるようになる
引きこもり支援団体を利用する大きなメリットの1つとして、人に話すことで心が落ち着き、家族や周囲の人に当たることが少なくなることが挙げられます。
引きこもりやニート状態の人を抱える家族にとって、身体的暴力は大きな問題です。
しかし、暴力を振るっている本人も抑えきれない衝動に悩んでいることが多く、引きこもり支援団体を利用することで、心の負担が軽減されるメリットを得られます。
専門のスタッフが相談に乗ってくれるため、相談すればするほど自己理解も深まり、自分が何に悩んでいるのかハッキリする人も多いです。
抱えている未来への漠然とした不安も解消され、人生に希望が持てるようになるでしょう。
引きこもり支援団体の利用するデメリット
- 相談相手によっては逆効果になる
- 相談結果を鵜呑みにしてしまう
引きこもり支援団体を利用するデメリットとしては、相談相手によっては引きこもりを余計悪化させてしまう可能性があるということ。
ご紹介してきたように、引きこもり支援団体の中には悪質なやばい運営をおこなっているところがあり、どこに相談するかは慎重に決める必要があります。
また、「助けてほしい」という思いが強いあまり、相談相手の言っていることが”すべて”だと捉えてしまう引きこもりの人も多く、鵜呑みにしたり依存してしまうリスクがあることも事実です。
人生に正解はなく、みんなそれぞれの物差しで生きています。
引きこもり支援団体に相談する際は、「答えを決めてもらう」のではなく、「行動を起こすキッカケ」にすることを意識しておきましょう。
やばい引きこもり支援団体を回避する際のポイント
引きこもり状態を改善するためにも、やばい支援団体を避けたいところですよね。
やばい引きこもり支援団体を回避するためには、以下の2つのポイントを押さえておくことがおすすめです。
やばい引きこもり支援団体を回避する際のポイントについて、それぞれ詳しく解説します。
引きこもりの段階・状態を把握する
引きこもりには大きく分けて3つの段階があり、それぞれ必要な支援が異なるため、まずは今の状態を正しく把握することが大切です。
引きこもりの3つの段階と、それぞれに必要な支援をご紹介します。
引きこもり初期
引きこもり初期は、仕事には行けないけど趣味やちょっとした外出はできるという軽度な引きこもり状態を指します。
この時期は休息が必要なことが多く、家以外に安心して過ごせる場所を持つことが大切です。
外に出る楽しみが増えたり、心のうちを共有できる仲間ができたりすることで、引きこもりの悪化を防ぎ、前向きな思考を育んでくれます。
- フリースペースなどの通所型の支援がおすすめ
引きこもり本格期
引きこもり本格期は、ちょっとした外出も難しく、家から一歩も出られない状態を指します。
この時期は、ただ外出できないわけではなく、「人が怖い」「無気力で動けない」という不安を抱えているケースが多いです。
適した支援としては、宿泊型支援と訪問型支援になりますが、集団生活のハードルがストレスになることもあるため、本人の状態に合わせた支援を選択しましょう。
- 集団生活で生活リズムを整える宿泊型支援
- もしくは、状況を見て出張相談などの訪問型支援がおすすめ
引きこもり改善期
引きこもり改善期は、重度の引きこもりから抜け出し、少しずつ前向きな考えや行動ができるようになってきている段階です。
社会復帰に向けての意識も高くなってきているため、就労支援を利用しながら心と体を慣らしていく期間でもあります。
しかし、メンタルは不安定で気分の浮き沈みも少なくありません。
気持ちに配慮しながら、目標に向かってサポートしてくれる支援団体が適していると言えるでしょう。
- 就労支援などをおこなっている通所型支援がおすすめ
引きこもり支援団体の情報を入念にチェックする
引きこもり支援団体は、場所によってサポート内容が大きく異なります。
なかにはご紹介したような『やばい』支援団体がいくつも存在するため、事前に集められる情報は入念にチェックしておきましょう。
『やばくはない』引きこもり支援団体とは?でご紹介した内容を参考に、公式サイトやSNS、口コミや感想を入念に調べることがおすすめです。
施設の見学やおためし入所ができる施設があれば、積極的に利用してスタッフの対応や雰囲気を確認するのもいいでしょう。
不安なことや気になる点があれば、お問い合わせ窓口も気軽に利用してみてくださいね。
支援団体以外の引きこもり支援はある?
引きこもり支援団体以外にも、引きこもり問題にアプローチする方法はいくつかあります。
支援団体以外の引きこもり支援について、それぞれ詳しく解説します。
引きこもり外来
引きこもりの方は、何らかの精神疾患や発達障害を抱えているケースが多いです。
とくに、対人関係や仕事のミスが多いことに悩んで退職した人の多くは、根底に発達障害が隠れていることもあります。
自立する上で自分の特性を正しく理解することはとても大切なため、引きこもり外来のある精神科や心療内科を受診するのも有効な手段の1つです。
引きこもり外来を受診することで利用できるようになる支援制度もあり、自立する手段を増やすキカケにもなっていきます。
就労支援
医療機関を受診することで利用できる支援制度の中に、「就労支援」があります。
就労支援には、「就労継続支援A型」「就労移行支援」があり、どちらも障害や難病を抱えている人を対象とした支援サービスです。
「就労継続支援A型」は、実際に働きながらサポートが受けられ、「就労移行支援」は、企業に就職するための知識やスキルを身につけながら、利用者の就職活動をサポートします。
どちらも医師の診断書や意見書があれば、引きこもりの方でも利用できる自立支援サービスです。
引きこもり地域支援センター
引きこもり地域支援センターは、すべての都道府県・指定都市にある行政が運営する自立支援施設です。
社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持つコーディネーターが在籍しており、引きこもりの人やその家族に対して相談サポートや訪問支援をおこなっています。
また、引きこもりを学ぶミニ勉強会や引きこもり家族同士の交流会などもあり、貴重な情報交換の場としてもおすすめです。
利用期間や年齢に制限がなく、当事者の状況に合わせた段階的なサポートを提供しています。
地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーション(サポステ)は、全国177ヶ所で展開されている無料の就労支援サービスです。
厚生労働省委託の支援機関で、15~49歳の若者を対象にしており、幅広い支援が特徴的。
働くことの悩み相談や就労支援、就活セミナーなどの基本的な支援から、向いている仕事を見つけるジョブトレやパソコン講座、コミュニケーション講座などをおこなっています。
支援1年未満の就労率も80%以上となっているため、引きこもり改善期で働くことに前向きに取り組みたい方におすすめの支援サービスです。
まとめ|やばくない引きこもり支援団体を見分けて状態に合わせた支援を受けよう!
しっかり情報を集めて下調べをおこなっていれば、やばい引きこもり支援団体を見分けることができます。
当事者の状態に合わせて必要な支援も異なってくるので、記事を参考にして本人に合った支援団体を見つけていきましょう。
各自治体でも相談を受け付けているので、1人で悩まず、まずは無料相談を受けることがおすすめです。
引きこもりでお悩みの方は、ぜひ「らいさぽ」までご相談ください。