「不登校でも大学受験ってできるの?」
「大学受験以外の選択肢が知りたい!」
日本では大学進学率が約4人に1人と言われており、高校で不登校になると「大学に行けないかも」と不安を感じる人も多いでしょう。
しかし、不登校でも大学受験をする方法はあります。実際に、多くの人がさまざまなルートを活用して大学進学を実現しています。
そこで本記事では、不登校でも大学を目指せる具体的な3つの方法をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
こんな人におすすめの記事です
- 不登校になり大学受験ができるか不安な人
- 学校に通えなくても大学進学を目指したい人
- 一般的な受験ルート以外の方法を知りたい人
「不登校=大学に行けない」わけではありません。本記事を参考に今後について家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
不登校は大学受験ができないって本当?
不登校になってしまっても大学受験はできます。
高校の卒業資格は必要最低限の出席日数と単位を取得できれば与えられるため、毎日学校に行く必要もテストで上位の成績を取る必要もありません。
現在不登校で高校に少しでも通われている方は、卒業の資格の条件を満たせるか確認してみましょう。
また、全く高校に通えていない方でも条件を満たせば大学受験の資格は得られます。
ここでは、大学受験をするために必要な資格をそれぞれ見ていきましょう。
大学受験に必要な3つの資格
大学受験をするためには、以下の3つの条件のうちいずれか1つを満たす必要があります。
大学受験に必要な3つの資格
それぞれ確認していきましょう。
高校卒業(見込み)
ほとんどの高校生は、高校卒業(見込み)の条件を満たし大学受験の資格を得ます。
高校卒業(見込み)の条件を満たすためには、おおよそ年間3分の2以上の授業に出席し単位を取得しなければなりません。
さらに、テストの点数も一定の基準をクリアする必要があります。
高校3年生で不登校になってしまった方なら卒業の資格を満たせるかもしれません。
しかし、1年生・2年生の早い段階で不登校になってしまうと、年間3分の2以上の授業への出席やテストで点数を取るのは難しいでしょう。
高卒認定の取得
高校を卒業しなくても、高卒認定を取得すれば大学受験はできます。
高卒認定(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)とは、文部科学省が実施する試験のことです。
この試験に合格すると「高校を卒業した人と同等以上の学力がある」と認められ、大学・短大・専門学校などの受験資格を得られます。
試験は毎年2回、8月と11月に行われ、受験資格は「その年度に16歳以上になり、なおかつ高校を卒業していない、または高卒認定を取得していない人」です。
試験科目は国語・英語・数学など、全部で8〜10科目あり、合格は科目ごとに判定されます。
一度合格した科目はずっと有効であり、再受験の必要はありません。
また、高校での取得単位数によっては、特定の科目の受験が免除される場合もあります。
高卒認定の取得は「比較的簡単」と言われることもありますが、勉強が苦手な人や、効率よく対策を進めたい人は、専門の塾を利用するのも一つの方法です。
しかし、高卒認定の資格は正式な学歴にはならず、資格取得語に大学や専門学校を卒業しなければ最終学歴が「中卒」となる点には注意しましょう。
その他大学受験可能な学校の卒業など
高校以外にも、卒業すれば大学受験の資格が与えられる学校があります。
- 高専(高等専門学校)
- 一部の高等専修学校
高専(高等専門学校)は、生徒の約2割が不登校経験者というデータもあるため、不登校の学生への配慮がなされているため気になる人は調べてみると良いでしょう。(参考:不登校経験者の自立を支える
高等専修学校)
また、一部の高専や高等専修学校では5年間通わなくても、3年以上在籍し一定の基準を満たせば大学受験できる場合があります。
高校にできるだけ通わず大学受験する方法3選
高卒認定の取得やその他大学受験可能な学校に転校する方法を紹介しましたが、できれば高校卒業(見込み)で大学受験の資格を得たい方も多いはずです。
ここでは、高校にできるだけ通わずに高校卒業(見込み)で大学受験する3つの方法を紹介します。
高校にできるだけ通わず大学受験する方法3選
それぞれ確認していきましょう。
保健室・別室登校
他の生徒と一緒に授業を受けずに保健室・別室登校などで授業を受ける方法があります。
しかし、小中学校では、保健室登校は出席として認められますが、高校では学校ごとに対応が異なる点には注意しましょう。
保健室登校をする場合、過ごし方はさまざまですが、一般的には自主学習をしたり、保健室の先生やスクールカウンセラーと面談をしたりすることが多くなります。
特別な時間割で授業を受ける場合もあるため事前にしっかり確認しておきましょう。
また、保健室登校を続けることで、決まった時間に学校へ行く習慣がつき、生活リズムが安定しやすくなり、心の調子が整う可能性もあります。
まずは担任の先生や話しやすい先生に相談し、保健室登校が出席扱いになるかどうか、そして大学受験を考えていることを伝えてみましょう。
通信制高校を卒業
今の高校に通い続けることが難しい場合、通信制高校へ編入や転入するという選択肢もあります。
すでに高校を中退した場合は「編入」、現在高校に在籍している場合は「転入」となります。
不登校の状態で大学受験を目指している高校生は「転入」の扱いになりますが、転入の受け入れ時期でない場合は、一度中退して「編入」する必要が出てくることもあるので注意が必要です。
転入や編入の受け入れ時期は高校ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、編入や転入は検討する学年によって注意点があります。
学年 | 注意点 |
高校1年生 | 全日制高校を中退した場合は「再入学」扱いとなる これまでに取得した単位はリセットされる |
高校2年生 | 前の高校で取得した単位を引き継げる場合が多い |
高校3年生 | 転入で卒業時期が遅れることがある |
特に高校3年生での転入・編入は卒業時期にも関わるため注意が必要です。
卒業の条件を満たせそうなら健室登校などを検討しましょう。
定時制高校を卒業
定時制高校は、もともと就職した学生が学べるように設けられた学校ですが、現在ではさまざまな理由で通う人がいます。
通信制高校との大きな違いは、毎日学校に通うことです。
以前は定時制高校=就職というイメージが強かったものの、近年では大学進学を目指す学生も増えています。
また、定時制=夜間のイメージを持つ人も多いですが、日中に学べる学校もあります。
そのため、自分のライフスタイルに合った学校を選ぶことが大切です。
毎日通うこと自体に問題はないけれど、今の高校には通いたくないという人は、定時制高校への転入を検討してみるとよいでしょう。
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不登校で高校を留年すると大学受験はできない?
不登校の影響で留年しても大学受験は可能です。
大学受験の資格は「高校卒業」だけでなく「高卒認定試験(高認)合格」もあるため、たとえ留年しても、高卒認定試験(高認)に合格していれば大学受験はできます。
また、留年した場合、同じ学年をもう一度やり直せば、翌年受験資格を得られます。
ただし、留年するからには「翌年こそ大学に進学する」という明確な目標を持ち、計画的に学校に通ったり、高卒認定試験(高認)対策を行ったりする必要があります。
めんどくさいからという理由で気軽に留年しないようにしましょう。
不登校は大学受験でバレる?
通常の入試では不登校がバレることは基本的にありません。
大学の一般入試では、学力試験や面接、小論文などの選考が行われますが、出願時に「過去の出席状況」を詳しく申告する必要はありません。
そのため、不登校の経験が直接合否に影響を与えることはほとんどありません。
ただし、推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)では、高校での成績や出席状況が評価の対象になる場合があります。
その場合、出席日数が少ないことを理由に出願資格を満たさないケースもあるため、志望校の条件を事前に確認しておくことが大切です。
不登校でも目指せる大学受験以外の選択肢
ここでは不登校の方が選べる大学受験以外の選択肢について解説します。
不登校でも目指せる大学受験以外の選択肢
大学に進学するのが全てではありません。自分が将来やりたいことに大卒の資格が本当に必要なのかも含めて、それぞれの選択肢を確認していきましょう。
専門学校
なりたい職業や、やってみたい仕事があるなら専門学校に通うのも選択肢の1つです。
専門学校では美容師や料理人など具体的な職業に就くための訓練が行われているため、総合大学に進学するよりも短期間で目的の職業に就けます。
テストも一般的には総合大学よりも簡単で、受験科目も少ないため、不登校で授業に遅れがあっても挽回できる可能性が高いです。
将来なりたい職業や、やってみたい仕事がある場合は、大学ではなく専門学校に進学することも考えてみましょう。
就職サポート機関
不登校の方を対象とした就職サポート機関を利用するのもおすすめです。
代表的な就職サポート機関
- 職業訓練校(ハロートレーニング)
- 地域若者サポートステーション(通称サポステ)
職業訓練校(ハロートレーニング)とは、国が行う転職や就職に役立つスキルが身につけられる就職支援制度です。
基本的に入学金や授業料は無料のため、親に迷惑をかけたくない方でも安心して利用できます。
一方、サポステは働くことに悩みを抱える15歳から49歳までの若者を支援する厚生労働省委託の公的機関。キャリアカウンセリングや就労に向けたスキルアップの支援を受けられます。
また、公的機関以外にも民間の不登校の就職をサポートする団体もあります。
無料で利用はできませんが、その代わり公的サービスでは受けられない充実した支援を受けられるところが多いです。
なかでも、引きこもり、ニート、不登校児のための就労・学習・自立支援を行う全寮制施設「らいさぽセンター」がおすすめ。初回相談が無料で、専門スタッフが一人一人の状況に合わせて丁寧にサポートしてくれます。
不登校の子どもの大学受験に対して親ができること3選
不登校の子どもに対して、親がどのように接して良いかわからない方も多いはずです。
そこでここからは、不登校の子どもの大学受験に対して親ができることを3つ紹介します。
不登校の子どもの大学受験に対して親ができること3選
それぞれ確認していきましょう。
子どもの気持ちを尊重する
不登校の子どもが大学受験を目指す場合、親がまず大切にすべきなの子どもの気持ちを尊重することです。
無理に学校復帰を迫ったり、「受験しなさい」とプレッシャーをかけたりすると、子どもは余計に追い詰められてしまいます。
大切なのは、子ども自身が「どうしたいのか」をじっくり聞き、一緒に考える姿勢を持つことです。
受験を目指す気持ちがあるならどの方法が合っているのかを話し合い、サポートできる環境を整えましょう。
もし迷っている場合は焦らず、子どものペースを尊重することが大切です。
親が安心できる存在でいることで、子どもは自分なりの道を見つけやすくなります。
学校以外の学習場所を考えてあげる
不登校の子どもが大学受験を目指す場合、学校以外で学べる環境を整えることが大切です。
自宅学習が難しい場合は、塾や家庭教師、オンライン授業など、子どもに合った学習方法を一緒に探してあげましょう。
フリースクールや通信制高校、個別指導塾など、学校に通わなくても学べる場はたくさんあります。
大切なのは、子どもが安心して学習に取り組める場所を見つけることです。
無理に学校復帰を促すのではなく、学びやすい環境を選ぶことで、子どもの意欲を引き出し、大学受験に向けて前向きに取り組めるようサポートしましょう。
専門家に相談する
不登校の子どもが大学受験を目指す場合、親だけで悩まず専門家に相談することが大切です。
学校のスクールカウンセラーや教育相談機関、児童相談所などでは、不登校の子どもに対するサポートを行っています。
大学受験に向けた具体的な学習方法については、通信制高校や高卒認定試験のサポートを行う塾・予備校に相談するのもおすすめです。
特に、高卒認定を取得する場合は、試験対策を専門とする塾やオンライン講座を利用することで、効率よく学習を進められます。
また、親自身の悩みを相談できる場も活用しましょう。
自治体の教育相談窓口や、不登校の子どもを持つ親の会では、同じ経験をした親たちと情報を共有でき、気持ちの整理にもつながります。
専門家の力を借りながら、子どもに合った進路を一緒に考えていきましょう。
まとめ:不登校でも大学受験はできる!
ここまで読んだみなさんなら、不登校でも大学受験ができるとわかったでしょう。具体的な3つの方法を紹介したので、家族や学校の先生と相談して今後どのようにするのか話合ってみてください。
高校にできるだけ通わず大学受験する方法3選
また、大学進学だけが全てではありません。就職をサポートしてくれる機関で学ぶのもおすすめです。
引きこもり、ニート、不登校児のための就労・学習・自立支援を行う全寮制施設「らいさぽセンター」なら初回相談が無料。専門スタッフが一人一人の状況に合わせて丁寧にサポートしてくれます。
大学に進学してやりたいことがない方は利用を検討してみてはいかがでしょうか?