「引きこもりから立ち直るきっかけを知りたい」
「社会復帰は怖いけど、引きこもりから脱出したい」
引きこもり生活を経験すると、社会へのこわさや不安が出てくるのは当然です。
一方で、立ち直るきっかけや方法がわからない、行動する自信がないと葛藤する気持ちも出てくるでしょう。
みなさんは、引きこもりから立ち直るきっかけのハードルをあげていませんか?
きっかけとは、バイトをはじめたり就職するなどの「働く」という行動だけではありません。当記事を読んでいただければ、仕事以外にもステップとなる行動がわかり、引きこもり生活から脱出できるでしょう。
この記事でわかること
- 主な引きこもりなったきっかけ・原因とは?
- 引きこもりになりやすい人の特徴
- 引きこもりから立ち直るきっかけパターン5選
- 引きこもりからの回復過程
- 頭ではわかっていても立ち直ることができない原因と対策
- 引きこもりから立ち直った・脱出した人のきっかけ体験談
こんな人におすすめの記事です
- 引きこもりから脱出したいと考えている方
- パートナーや家族が引きこもりでサポートしたい方
主な引きこもりなったきっかけ・原因とは?
まずは引きこもりなった人のきっかけ・原因を理解することが、自分に合う立ち直るきっかけを見つける手立てとなります。
そもそもの引きこもりの原因は、性格だけとは限りません。内閣府の調査結果を参考に、主な引きこもりの原因を紹介します。
- 人間関係がうまくいかなかった
- 病気になった
- 就職活動がうまくいかなかった
- 職場になじめなかった
- 中学校時代の不登校
- 学校になじめなかった
- その他
内閣府:こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)p180
「その他」のなかには、理由が不明である人もいれば複数の理由で複雑化している人もいます。本人も認識できないうちに、引きこもりになってしまったケースがたくさんあるのです。
また、近年はコロナ流行の影響で引きこもりになったケースもあります。妊娠などのライフイベントだけでなく、社会の変化や流行した感染症なども、引きこもりの要因となることからも、誰でも引きこもりになる可能性はあるといえます。
引きこもりと精神障害との関係性
引きこもり=病気ではありません。しかし、約8割の人が何らかの精神疾患を抱えているといわれています。
代表的な精神疾患は、「うつ病や双極性障害」「社交不安障害」「統合失調症」「発達障害」など、精神疾患になって引きこもりになる人もいれば、引きこもりが長期化して二次障害として病気となるケースもあるのです。
「薬に頼りたくない」「こわくて病院へは行けない」と思う気持ちもわかりますが、早めに受診することは引きこもりから立ち直るきっかけの1つとなるでしょう。
引きこもりになりやすい人の特徴
引きこもりになりやすい人は、特に性格面における共通した特徴があるといわれています。それが以下の特徴です。
- 真面目で頑張り屋
- 自分のキャパに気づきにくい
- 自己肯定感が低い
- 周囲の評価を気にし過ぎる
- プライドが高い
がんばりすぎた結果や自信のなさによって、引きこもりとなってしまうケースは意外に多いです。中には自分でも気づかないうちにストレスをためて、引きこもりになる場合もあります。
また、もともとコミュニケーション能力の高い人も、挫折経験で立ち直り方がわからず、引きこもりにならざるを得ないなど、引きこもりのきっかけもさまざまです。
引きこもりから立ち直るきっかけパターン5選
ここまで読んだ方が再出発するために、引きこもりから立ち直るきっかけパターンを5つ紹介します。
- きっかけ1.親と関係を修復した
- きっかけ2.友人や周囲のライフイベントによる焦り
- きっかけ3.家族以外の第三者の支援を受けた
- きっかけ4.生活リズムを整えた
- きっかけ5.会いやすい人に自ら会いに行った
きっかけ1.親と関係を修復した
親に価値観を押し付けられたり、子離れ・親離れが出来ていないなど、親との関係が引きこもりに影響していることもあります。
これらの関係を改善することをきっかけに立ち直るケースも存在するのです。
ただし、修復にエネルギーを使いすぎず、時には諦めて切り替える気持ちも必要でしょう。特に成人を超えていれば、第三者の支援をフル活用した方がいいケースもあります。
親や過去に固執しせず行動することも、立ち直るきっかけとなるのでしょう。
きっかけ2.友人や周囲のライフイベントによる焦り
特に20代後半以降は、周囲の結婚・出産・昇進・キャリアアップなどのライフイベントの変化が大きいですよね。
「まわりは変化しているのに、自分は変わらない…」
このような焦りがいいきっかけになることもあります。
焦燥感は悪影響を及ぼすと解説しましたが、いいきっかけとなって「結婚したい」「就職したい」という希望へとつながることもあるのです。
きっかけ3.家族以外の第三者の支援を受けた
家族の場合、互いに感情的にもなりやすいため第三者の支援の方がいい場合もあります。
特に専門機関であれば、自分の気持ちを包み隠さず打ち明けられるほか、具体的な支援や自分に必要なサポートが受けられるでしょう。
実際に引きこもり状態の人は、相談先を知らないケースも多く「専門機関に相談できた」という出来事が立ち直るきっかけとなるケースはよくあります。
きっかけ4.生活リズムを整えた
先程紹介したマズローの欲求5段階説は、「生理的欲求」が土台となっています。つまり、食事や睡眠、排泄、運動などがある程度安定していることが、適切な「安全・安心」「所属と愛」の欲求を満たす力となるのです。
- 朝一定の時間に起きる
- 朝食をとったり運動する
- 昼夜逆転をなおす
これだけでも行動する力が回復する場合も多いですし、支援先が営業している時間に動くこともできますよ。
きっかけ5.会いやすい人に自ら会いに行った
はじめての人と関係を築くことが苦手な場合は、いきなり交友関係を増やすよりも気の合う友人や安心のできる相手との交流で会話・外出の機会を増やしていくといいでしょう。
自分の置かれている状況により躊躇してしまう人もいますが、立ち直るきっかけのために動くと思って会いやすい人のもとへ行ってみてくださいね。
引きこもりからの回復過程
社会復帰に不安があるのはダメなことではありません。引きこもりから回復する過程をある程度理解しておくことは、このあと紹介する立ち直りのきっかけに気づくチャンスにも繋がるでしょう。
小さな目標からスタートする
心理学や教育学等では、スモールステップという言葉が有名です。
スモールステップとは、文字通り小さな階段を歩くようなイメージ。たとえば以下のようなことからスタートしていきます。
- 昨日よりも数分多く自室を出る
- 朝起きたら窓を開ける
- 1つだけ家事をしてみる
- 人と挨拶や他愛のない会話をする
- 気の合う友人に連絡する など
スモールステップはモチベーション維持や、課題に気づきやすいというメリットもあります。仕事にも活かせるスキルなので、今のうちに取り入れてみるのがおすすめです。
目標設定を定期的に見直す
目標が高いもしくは低すぎないか、定期的に目標を見直しましょう。
社会に出ると、計画を立てて実行しその経過を見ることはよくあります。近年はOODAという方法を主流とする業界も増えました。
OODAとは、OBSERVE(観察)、ORIENT(状況判断)、DECIDE(意思決定)、ACT(実行)のプロセスで「まずはやってみる」という考えをもとに意思決定していく方法です。
引きこもり生活からの立ち直りも、OODAをもとにまずはできることをやってみる、少しやってみて、このまま続けていくか別の方法を試すかを考え、進めていきましょう!
焦る気持ちをやる気に変える
焦燥感は心身ともに悪影響・デメリットを及ぼします。
たとえば、集中力や判断力が低下し、冷静になったときに後悔するケースがあります。また、思うようにいかないイラ立ちから自分を責めたり、不安になったりすることも。
まずは焦りの原因の特定とやることを整理します。そのうえで、焦りのポジティブな面や将来に向けて力となる部分があるかなど、視点を変えてみましょう!
居場所・相談先を見つける
マズローの欲求5段階説によると、人は「安全や安心」「所属と愛」などの居場所の欲求を求めます。
今、居場所がないと感じている人は社会的参加につながる「居場所・相談先」を見つけてみましょう。たとえば専門機関や当事者会、ボランティアやバイトなどが社会的参加にも通ずる居場所となります。
どこかとつながっている感覚は、自身が社会に必要とされている感覚があると認識でき、自信にもなるのです。
【おまけ】引きこもりから脱出した人の体験談を実行
後半で紹介する「引きこもりから立ち直った・脱出した人のきっかけ体験談」を参考にしながら、自分なりのきっかけを見つけて実行しましょう。
ただし、あくまでも「参考」に取り入れてみてくださいね。「こうなりたい」という具体的なものがあることでモチベーションにもなります。
頭ではわかっていても立ち直ることができない原因と対策
体験談のご紹介の前に、頭では理解していても心や行動が追い付かない人へ。
もしかしたら、病気の長期化・未治療、挫折経験から根本的に立ち直れていないことが考えられます。
引きこもる状態が続くと行動する気力が出にくいものです。また、認めてくれる人がだれ一人いないと感じている場合も知識や情報だけが増えていく状態となります。
対策としては、カウンセリングなど専門家とともに根本的な原因を見つけて改善する方法があげられます。また、仲間や認めてくれる人を見つけることを諦めないことも重要です。
脳科学的にも諦めない気持ちは脳の癖の修正につながるといわれています。そして、自分が自分を認められるように、成功体験を積むことも立ち直るために必要な経験です。
引きこもりから立ち直った・脱出した人のきっかけ体験談
最後に、引きこもりから立ち直った方々の体験談を紹介します。
41歳 男性 会社員 Y.Sさんの体験談
引きこもっていた頃は、常に自分の部屋で1日中テレビを見たりゲームする生活でした。父親と顔をあわせると働くように言われるので避けていました。焦りはあったけど、社会に出る事が怖かったです。
しかし、父親がリストラにあって実家を売り、両親が離婚。引きこもり生活を続けられなくなりました。それでも怖かったので新聞配達のバイトから始めたのですが、自分で稼いだお金で好きな物を買える事に大きな喜びを感じました。両親も私の一歩をとても喜んでくれて、フルタイムにも挑戦し社会人として再出発しました。
29歳 女性 コンビニアルバイト S.Mさんの体験談
私は職場での人間関係やパワハラで引きこもりになりました。最初は毎日布団の中に閉じこもり家族の介入すら拒みました。どうすれば良いのかわからない状態だったと思います。 しかし、立ち直るためにはまず自分自身を受け入れることが重要でした。カウンセラーなどの専門家のサポートを受け、少しずつ自分でも目標や夢を見つけるように心がけました。
また、人との交流を徐々に再構築したこともよかったです。最初は家族や友人、少しずつ外部の人との接触を増やし、社会復帰するためのスキルを身につけました。また、趣味や興味が一致する人たちとのコミュニティに参加したこともよかったことです。
体験談を話してくださった方に共通することは、自分に合う方法で取り組んだこと。バイトから始めることも、人との交流を増やすこともどちらも引きこもりから立ち直るきっかけの1つとなります。
引きこもりから立ち直るなら、脱出する勇気を持とう
引きこもりから立ち直るきっかけは1つではありません。社会復帰したいけどこわいと思う人は、まずオンライン相談を受けるという選択もありです。
引きこもりでお悩みの方は、引きこもり支援に強い「らいさぽ」までご相談ください。みなさんの再出発をサポートします。