「ニートと引きこもりの違いって何?」
「なってしまう原因や脱出方法が知りたい!」
「ニート」と「引きこもり」は、どちらも自宅から外へ出ない人と考えている方がほとんどです。
しかし、ニートと引きこもりにはそれぞれ定義があり、明確な違いがあります。
そこで本記事では、ニートと引きこもりの違いや原因と脱出方法について解説します。
まずは自分が置かれている状況がどちらか理解しましょう。
また、引きこもりやニートが受けられる支援についても解説するので、一人で悩まず誰かに相談するのもおすすめです。
この記事でわかること
- ニートと引きこもりの違い
- ニートや引きこもりがどれくらい日本にいるか
- ニートや引きこもりの末路は悲惨か
- ニートや引きこもりになってしまう5つの原因
- 引きこもりやニートから脱出する3つの方法
- 引きこもりやニートが受けられる支援
こんな人におすすめの記事です
- 引きこもりとニートの違いが知りたい方
- 引きこもりやニートの状況にある大人やその家族・友人
- 引きこもりやニートの原因や脱出方法が知りたい方
ニートと引きこもりの違いとは?
よく似ている「ニート」と「引きこもり」まずはこの2つの違いから確認していきましょう。
ニートの特徴
NEET(ニート)とは、イギリスで生まれた言葉で”Not in Education, Employment or Training”の頭文字を取ったものであり、就学・就労・職業訓練のいずれもしていない若者を指す言葉です。
日本では、厚生労働省が以下のようにニートを定義しています。
高校や大学に通学しておらず、独身であり、ふだん収入になる仕事をしていない15歳以上35歳未満の個人(予備校や専門学校などに通学しているものは除く)
引用:厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」
月末に1時間でも仕事をしている方や無職でも求職中の方はニートには定義されません。
引きこもりの特徴
引きこもりとは仕事や学校に行かず、6カ月以上家庭に引きこもっている状態のことを指します。
「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的に6カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す」
引用:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」
厚生労働省では上記のように定義されています。
また、ちょっとした散歩やスーパーへの買い出しで外出する人は引きこもりではないと思うかもしれませんが、他者との関わりがない場合は「引きこもり」と見なされてしまいます。
フリーターはニートや引きこもりと違う?
フリーターはニートや引きこもりとは異なり、アルバイトやパートなどで働きながら収入を得ている人や仕事を探している人を指します。
「フリーター」の定義は、15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者とし、1 雇用者のうち勤め先における呼称が「パート」又は「アルバイト」である者、2 完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者、3 非労働力人口のうち希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」で、家事・通学等していない者
引用:厚生労働省「未就職卒業者数の推移」
また、フリーターは労働や求職活動を行っている点で社会と関わりを持っている一方、安定した職業やキャリアを持たないという課題があります。
ニートや引きこもりってどれくらい日本にいるの?
「ニート」や「引きこもり」状態にある方は、日本にどれくらいいるのでしょうか。
ここでは、それぞれの人口と割合などデータを用いて解説します。
ニートの人口と割合
2022年のデータによるとニートの数は57万人となっており、2020年には過去最大を記録しています。(参考:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約、概要、統計表等)
2020年以降は減少傾向が続いていますが、各世代の人口に占める割合は10年前と変わらず約2%。50人に1人がニートという状態です。
50人に1人がニートといわれると多く感じますね。
引きこもりの人口と割合
内閣府の調査によると引きこもりは全国で146万人と推計されており、50人に1人が引きこもりの状態にあります。(参考:2022年度「こども・若者の意識と生活に関する調査」)
年代別に見ると40代の引きこもりの割合が最も多く、20代が最も少ないです。
ここ数年の高齢者の引きこもりの原因は「コロナ」だと考えられています。
高齢者の方が発症時の重症化リスクが高いため、外出を控える傾向にあるのでしょう。
ニートや引きこもりの末路は悲惨?
ニートや引きこもりが長期化すると社会復帰が難しくなり、悲惨な末路を迎える可能性があります。
長期間社会と関わらない生活が続くと他者とのコミュニケーション能力が衰え、人との距離感を掴むのが難しくなるからです。
また、経済的自立ができていない場合、親が亡くなった後の生活が立ち行かなくなるリスクも高まります。
特に親の年金や貯金に頼っている場合は、どのように収入を得るか考えておく必要があります。
とはいえ、適切な支援を受け、早めに行動すれば悲惨な末路にはなりません。
ニートや引きこもりの末路や対策について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:引きこもりニートの末路は悲惨?原因や手遅れになる前の脱出方法を解説
ニートや引きこもりになってしまう5つの原因
ニートと引きこもりの違いがわかったところで、ここからはニートや引きこもりになってしまう原因を5つ紹介します。
ニートや引きこもりになってしまう5つの原因
それぞれ理由を確認していきましょう。
原因①:人間関係でのトラブル
ニートや引きこもりになってしまう原因の一つに「人間関係でのトラブル」があります。
学校や職場、家庭などで人間関係がうまくいかず、ストレスや孤立を感じると「仕事に行きたくない」「自分の部屋から出たくない」と考える方は少なくありません。
特に、いじめやパワハラ、家族との不和といったトラブルが続くと、人と関わること自体に恐怖や抵抗を感じるようになり、他者との接触を避けるために引きこもる生活に陥りやすくなります。
原因②:大きな挫折
職場でのプロジェクトの失敗や第一志望の学校に落ちるなど、大きな目標に挑戦したときの挫折が社会に出ることへの恐怖心に変わることがあります。
自分に対する自信を失い、再び挑戦する気力が持てなくなり、そのまま引きこもりやニートになってしまうのです。
また、失敗に対する周囲からのプレッシャーや批判により精神的に追い詰められ、社会との関わりを避けるようになることもあります。
原因③:病気や怪我
心身の健康を損なうような病気や大きな怪我が原因で長期の休養が必要となり、そのまま引きこもりやニートになってしまう場合があります。
職場や学校から長期間離れてしまうと、社会復帰に対してどんどん不安が大きくなり、病気やケガが回復しても家から出られず、そのままひきこもりやニートになってしまうのです。
特に、うつ病や不安障害といった精神的な病気は引きこもりの原因となりやすいため、専門家による治療や支援を受ける必要があります。
原因④:親の介護
親の介護のために働きに出る時間や余裕がなくなり、社会との繋がりを失ってしまうケースがあります。
介護が長期化すると精神的・肉体的な負担が大きくなり、自分自身の生活を犠牲にせざるを得ません。
また、急な休みなどで職場に迷惑をかける機会が増え、申し訳ない気持ちから離職してしまう方もいます。
兄弟や親戚に介護を頼めない場合、一人で全てを抱え込んでしまい、引きこもりやニートの状態になる場合が多いです。
原因⑤:目標がない
将来の夢や具体的な目標が見つからないと、何をすればよいのかわからなくなり、行動する意欲を失いやすくなります。
学生時代や就職活動で明確な方向性を見出せなかった場合、そのまま無気力な状態が続き、引きこもりやニートになりやすいです。
また、目標がないと達成感や充実感を得る機会が減り生活が単調になりがちです。
専門家があなたの家族に寄り添います。
「部屋から出てこない」「会話が成り立たない」そんな日々に疲れていませんか?
まだ諦めるには早すぎます。
私たち『らいさぽセンター』は多くの引きこもりの若者たちとそのご家族に寄り添ってきました。
まずは、引きこもり支援の専門家にあなたの話を聞かせてください。
引きこもりやニートから脱出する3つの方法
引きこもりやニートになってしまう原因や悲惨な末路がわかったところで、ここからはそのような状態から脱出する3つの方法を解説します。
引きこもりやニートから脱出する3つの方法
まずはできることから始めてみましょう。
生活習慣を見直す
不規則な生活リズムや不健康な食生活は、体調や気分に悪影響を与え、やる気を低下させる原因になります。
まずは毎日同じ時間に起床し、3食バランスの良い食事を取ることを心掛けましょう。
また、15分程度の軽い運動も効果的です。外に出て日光を浴びることで心と体がリフレッシュされます。
生活習慣の改善は継続が大切です。まずはどれか1つ、できることから始めましょう。
とはいえ、ニート期間に習慣化してしまった昼夜逆転生活を改善するのは大変です。
こちらの記事で効果的な対策方法について解説しているので、昼夜逆転生活がなかなか改善できない方はご覧ください。
関連記事:引きこもりの昼夜逆転は治らない?原因と効果的な対策方法を解説
短い時間で働いてみる
フルタイムの仕事にいきなり挑戦するのは心と体への負担が大きいです。
まずは、短時間のアルバイトやパートから無理なく始めましょう。短時間の労働でも社会とのつながりを感じられます。
また、自分が働けたという成功体験が自信につながり、フルタイムで働くことへの意欲にもつながります。
少しずつ働く時間を増やしながら、自分に合ったペースで社会復帰を目指しましょう。
支援団体を頼る
全国各地には様々な支援団体があり、専門家による無料相談や就労支援プログラムを提供しています。
特に「地域若者サポートステーション」や「ひきこもり地域支援センター」といった公的機関では、経験豊富なカウンセラーが一人一人の状況に合わせて丁寧にサポートしてくれます。
家族からの相談も受け付けているので、本人が直接連絡するのが難しい場合は、まず家族が相談してみるのもよいでしょう。
最初の一歩を踏み出すのは勇気がいりますが、一人で抱え込まず、まずは支援団体に相談することをおすすめします。
また、引きこもり、ニート、不登校児のための就労・学習・自立支援を行う全寮制施設「らいさぽセンター」は初回相談が無料。専門スタッフが一人一人の状況に合わせて丁寧にサポートします。
興味がある方は一度相談してみましょう。
引きこもりやニートが受けられる支援を紹介
ひきこもりやニートは個人の問題ではなく、社会全体の課題でもあります。
一人で悩む必要はなく、社会復帰に向けた様々な支援制度や窓口が用意されているので、遠慮せずにどんどん使っていきましょう。
ここからは引きこもりやニートが利用できる支援制度をいくつか紹介します。
引きこもりやニートが受けられる支援
それぞれ確認していきましょう。
社会復帰を目指したい方への支援
社会復帰を目指したい方への支援には以下のものがあります。
ハローワーク
ハローワークは全ての年齢の引きこもりやニートの方が受けられる施設です。
ニートや引きこもりの方向けには、専門の窓口で就職に関する不安や悩みの相談、経験や適性に合わせた職業紹介、履歴書の書き方やマナーのアドバイスなどを行っています。
また、職業訓練の紹介や就職セミナーの開催、職場体験機会の提供といった就職支援プログラムも豊富です。
ハローワークは無料で利用でき、専門家による支援や豊富な求人情報の提供を受けられため、これから仕事を探したいと思っているニートや引きこもりの方がまずは相談する場所としてぴったりでしょう。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(サポステ)は全ての都道府県に設置されており、仕事に悩みを抱える若者を支援するための公的な機関です。
主に15歳から49歳までの若者を対象としており、ニートや引きこもりの人たちが社会復帰するためのサポートを提供しています。
個別相談やキャリアカウンセリングを通じて、自分に合った目標や進路を見つける支援を行うほか、職場体験や就職活動のアドバイスも受けられます。
また、家族への相談支援も行っており、家庭内でのサポート体制を整える手助けをしています。
ニートや引きこもりの方が、一歩を踏み出すきっかけを作るための窓口といえるでしょう。
地域若者サポートステーションについてもっと詳しく知りたい方は公式HPをご覧ください。
ジョブカフェ
ジョブカフェは、若者の就職活動を支援するために設置された施設で、主に39歳以下の人々を対象としています。
各都道府県が運営しており、就職に関する相談や情報提供、職業体験の機会など、幅広いサポートが無料で受けられ、社会復帰を目指す際の入り口として活用されることが多いです。
ジョブカフェでは、専門のカウンセラーが個別相談に応じ、一人ひとりの状況や目標に合わせたアドバイスを提供。企業とのマッチングイベントや合同説明会を開催しており、実際の就職活動に直結する機会もあります。
ニートや引きこもりの人が、少しずつ社会との繋がりを取り戻し、自分に合った職業を見つけるための頼れるサポート拠点といえるでしょう。
ジョブカフェについては厚生労働省の公式HPで詳しく紹介されているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
話を聞いてほしい方への窓口
働く意欲がまだ湧かない、現状をどうにかしたいけど何から始めれば良いかわからない方は、以下の支援サービスを利用してみましょう。
ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは、引きこもり状態にある人やその家族を支援するための公的な相談窓口です。
引きこもりの状態にある本人だけでなく、その状況に悩む家族からの相談にも対応しており、問題の解決に向けた具体的なアドバイスや支援プランを提案してくれます。
また、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ支援コーディネーターが中心となって相談支援を行っているため、安心して利用できるのも特徴です。
全国の相談窓口は厚生労働省のHPから検索できます。
電話やSNSでの相談窓口
働く意欲や勇気が湧いてこないものの、引きこもりやニートの状態がつらいと感じている場合、電話やSNSでの相談窓口を頼りましょう。
電話やSNSでの相談は、対面で話すよりも心理的ハードルが低いため、自分の思いを伝えやすいです。
また、無理に答えを出す必要はなく、ただ自分の気持ちを言葉にするだけでも気分が落ち着き、自分の考えがまとまることもあります。
相談は匿名でも利用できる場合が多いため、気軽に利用してみましょう。
専門家があなたの家族に寄り添います。
「部屋から出てこない」「会話が成り立たない」そんな日々に疲れていませんか?
まだ諦めるには早すぎます。
私たち『らいさぽセンター』は多くの引きこもりの若者たちとそのご家族に寄り添ってきました。
まずは、引きこもり支援の専門家にあなたの話を聞かせてください。
まとめ:引きこもりやニートの方は支援を受けて社会復帰を目指そう
ここまで読んだみなさんなら、ニートと引きこもりの違いについて理解できたでしょう。
ちょっとした散歩や買い物で出掛けることがあっても、他人と関わりがない生活が6ヶ月以上続いていれば「引きこもり」と認定されてしまいます。
また、本記事では引きこもりやニートから脱出する3つの方法についても解説しました。
引きこもりやニートから脱出する3つの方法
現在引きこもりやニートの状態にある方が、いきなり全ての方法を試すのは難しいため、自分にできることから少しずつ始めましょう。
とはいえ、なかなか一人では行動に移せない方も多いはず。そのような方は、支援団体を頼るのがおすすめです。
引きこもり、ニート、不登校児のための就労・学習・自立支援を行う全寮制施設「らいさぽセンター」は初回相談が無料。専門スタッフが一人一人の状況に合わせて丁寧にサポートします。
興味がある方は一度相談してみましょう。