「長い期間引きこもっていたから、どうすればいいのかわからない」
「引きこもりの支援サービスって何があるの?」
引きこもりから脱却したいと考えつつも、いざ何かをしようと考えるとなかなか思い浮かばないことはありませんか?1人で悩んでいても、解決することは難しいでしょう。
そこで今回は引きこもりに向けた自立支援サービスについて紹介します。
この記事を読むことで、引きこもり自立支援サービスの概要を理解し、活用した社会復帰の参考になるので、「自立支援サービスについてよくわからない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 国が推進する「ひきこもり支援推進事業」について
- 引きこもりの方が利用できる支援サービスについて
こんな人におすすめの記事です
- 長期間の引きこもりから脱却したいと考えている方
- 引きこもり状態にある家族や友人を抱える方
- 社会復帰を検討中の方
引きこもりとは?各種データから解説
引きこもりは現代社会の重要な課題であり、8050問題のように高齢の親が引きこもりの子供を世話するようなケースも少なくありません。
ここでは引きこもりについて3つのポイントから解説します。
- 引きこもりの定義
- 引きこもりの人口や年齢別の割合は?
- 引きこもりの就職率
それでは1つずつ見ていきましょう。
引きこもりの定義
引きこもりとは、さまざまな要因により社会的な参加を回避し、原則として6か月以上家庭内に留まる状態を指します。
この定義は、思春期の引きこもり問題を研究するプロジェクトによって作成された「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」に基づいて定められました。
ただし、短時間の外出や他者との接触を伴わない外出はこの定義に含まれます。また、就労をしている人、身体的な理由で外出をしない人、専業主婦(主夫)や家事手伝いなどの理由で家庭内にとどまっている場合は引きこもりに該当しません。
引きこもりの人口や年齢別の割合は?
総務省の2018年の調査によると、引きこもりの年齢別の割合は以下の通りです。
15〜19歳:2.1%
20〜24歳:12.8%
25〜29歳:14.9%
30〜34歳:6.4%、
35〜39歳:2.1%
40〜44歳:12.8%
45〜49歳:8.5%
50〜54歳:8.5%
55〜59歳:10.6%
60歳以上:17.0%
無回答:4.3%
特に15~29歳での割合が高く、また60歳以上では17.0%と高い数値を示しています。
現代で引きこもりは高齢者にも広がっており、若年層だけに限った問題ではないのです。
また、この調査では15歳~64歳の引きこもりの人口は100万人をこえると推定されています。
参考:日本経済新聞「中高年ひきこもり61万人 内閣府が初調査」
引きこもりの就職率
では引きこもりが就職できる確率はどのくらいのものでしょうか。
残念ですが、就職率について引きこもりに関する統計データが見つからなかったため、代わりにフリーターの就職率に関する情報をご紹介いたします。
15〜19歳:29.9%
20〜24歳:32.7%
25〜29歳:25.5%
30〜34歳:18.1%
35〜39歳:15.5%
40〜44歳:15.6%
このように、年齢が上がれば上がるほど就職が難しくなることがわかります。そのため、引きこもりであればさらに就職率は低くなるでしょう。
そのため地方自治体では引きこもりに特化した就労支援サービスが設置されています。
国が行う『ひきこもり支援推進事業』について
では国が行う引きこもりに向けた事業とは何でしょうか。
以下の4点に沿って解説いたします。
- ひきこもり支援推進事業の全体像
- ひきこもり地域支援センター事業
- ひきこもり支援ステーション事業及びひきこもりサポート事業
- 自治体におけるひきこもり支援の取り組み状況
それでは1つずつ見ていきましょう。
ひきこもり支援推進事業の全体像
日本の「ひきこもり支援推進事業」とは、ひきこもりの問題に対処するために国が行う取り組みです。この事業は、都道府県および指定都市に設置された「ひきこもり地域支援センター」を中心に展開されています。
令和4年度からは「ひきこもり支援ステーション事業」の開始など、地域住民に身近な支援環境の構築が進められました。
これに加えて、「ひきこもりサポート事業」も実施され、相談支援から居場所づくり、ネットワーク形成までを包括的に行うことで、ひきこもりの問題に多角的に対応しています。
ひきこもり地域支援センター事業
「ひきこもり地域支援センター」では、専門的な支援コーディネーターがひきこもり状態の人やその家族に対して相談支援を提供しています。
この支援コーディネーターは、社会福祉士、精神保健福祉士、保健師、公認心理士、臨床心理士等の資格を有する専門家です。
また適切な支援を提供するだけでなく、地域の関係機関とのネットワーク構築や、ひきこもり支援に関する情報提供なども行っています。
ひきこもり支援ステーション事業及びひきこもりサポート事業
「ひきこもり支援ステーション事業」は、相談支援、居場所づくり、ネットワーク形成などを行う事業です。
また「ひきこもりサポート事業」では、市町村におけるひきこもり支援の導入として、地域特性に応じた任意の事業を選択し、実施しています。
これにより、ひきこもりの実態把握から支援の周知、居場所の提供、サポーターの派遣に至るまで、広範囲な支援が可能になっているのです。
自治体におけるひきこもり支援の取組状況
では自治体ではひきこもり支援にどのくらい取り組んでいるのでしょうか。
令和5年に厚生労働省で行われた調査によりますと、相談窓口を明確化している自治体は1740自治体の内1430自治体であることがわかりました。全体の82.1%ほどの数になります。
また相談窓口を明確化してる内、相談窓口の存在を周知している自治体は1077自治体でした。こちらは対象の84.6%ほどの数です。
このように、ひきこもり支援の対応をしている自治体は非常に多いことがわかります。
引きこもりの自立支援サービスを解説
ここからは引きこもりの自立支援サービスについて紹介します。
支援サービスは以下の3つです。
- ひきこもり地域支援センター
- 地域若者サポートステーション(サポステ)
- NPO法人運営の支援施設
それぞれについて特徴やサービスの違いについて解説していきます。
①ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは厚生労働省による自立支援施設で、ひきこもり状態の人々およびその家族に対して相談サポートを提供しています。
専門職による訪問支援も行っており、年齢や利用期間に制限がないのが特徴です。
他のサービスと異なり、日常生活の自立を目指す段階的なサポートを提供し、就労よりも住みやすい環境作りに重点を置いています。
②地域若者サポートステーション(サポステ)
サポステは、15~49歳の若者を対象にした自立支援機関で、コミュニケーション講座、パソコンスキル習得、就活セミナーなどを提供しています。
他のサービスとの違いは、就職に直接結びつく支援だけでなく、生活に必要なスキルも身につけることができる点です。また企業での就業体験や合宿形式の集中訓練プログラムがあり、就労に必要なスキルの習得を目指すことができます。
③NPO法人運営の支援施設
また国だけでなくNPO法人が運営する支援施設もあります。
他の公的支援と比べると、より柔軟で個別化された対応が可能で、地域ネットワークを活用した支援が特徴です。
また、ひきこもりや若者の自立に特化したプログラムを展開し、個々のニーズに合わせたサポートを行うことができます。
らいさぽの支援サービスを紹介
らいさぽでは引きこもりからの社会復帰を目的とした支援サービスを行っています。
ここではらいさぽの特徴である
- 環境設備の整った寮で生活改善
- 自社保有の通信制高等学校で資格取得をサポート
- 就労体験が保有施設内や提携先の大手企業で可能
について紹介します。
① 環境設備の整った寮で生活改善
「らいさぽ」の寮では、安心と快適性を重視した生活環境を提供しています。
寮にはオートロックや24時間管理システムを備えており、常駐スタッフもいるため安心です。また広々とした間取りや、清潔感あふれる明るいキッチンとバスルームは、心地よく過ごせるよう設計されています。
食事は専任の管理栄養士が栄養バランスを考え作っており、季節の素材を使用するこだわりのある献立なので、食事面をおいしく・たのしくサポートいたしますよ。
② 自社保有の通信制高等学校で資格取得をサポート
「らいさぽ」では通信制高等学校を保有しており、専門学校と同等の資格取得が可能です。
特に工場で必要とされる第一種衛生管理者の資格も含まれ、試験は会場へ赴く必要なく受験できます。
また、教育の質を高めるため、教員免許を持つスタッフが多数在籍。これにより、柔軟かつ高水準の学習環境で学ぶことができます。
③ 就労体験が保有施設内や提携先の大手企業で可能
「らいさぽ」では就労体験が施設内の工場で可能です。
また、提携先の企業への派遣でアルバイトなどの就労体験ができます。
ここでは支援サービスの特徴に絞って紹介いたしましたが、実際の入寮の流れなどについても無料で相談可能なのでぜひ一度ご相談ください!
引きこもりの自立支援サービスを活用した方の体験談
最後に自立支援サービスを利用した方の体験談をご紹介します。施設の利用イメージがつかない方は、ぜひ参考にしてください。
38歳 男性 建設業 S.Uさんの体験談
京都府内にあるNPO法人が運営する引きこもり施設を利用しました。生活リズムの改善や社会復帰に向けた就労や学習の支援を受け、体調が良くなり、社会復帰に向けた具体的な目標が定まり、建設業への就職に成功しました。
施設では、同じような境遇の人と関わることで、自分だけではないと思えたことが大きな支えになりました。自分の場合ではありますが、自立支援サービスを利用してよかったと思っています。
41歳 男性 生活支援員 H.Uさんの体験談
親元から自立できていない状況を頭では分かっていても、中々自立のための一歩を踏み出せていませんでした。引きこもり生活をしているときは、毎日変わらない景色を見ることにうんざりしてしまうことがあったことから、いつもと違う環境で過ごすことができる支援施設を活用しました。
実際に施設を活用した感想ですが、思った通り家に引きこもっていた時に感じていたようなストレスから解放することができ、心身ともにリフレッシュできました。その後は施設から卒業をして、現在は就職して日々勤務をする生活を送っています。
今回ご紹介した2名の他にも、「環境の変化によって前向きになった」「生活リズムを変えられたのが引きこもり脱却のきっかけとなった」という意見が多いようです。
まとめ|一人で悩まずに引きこもりの自立支援サービスを受けて、脱出への第一歩を踏み出そう!
引きこもりからの脱却と社会復帰は、一人で取り組むには大きな挑戦です。しかしあきらめることはありません。各自治体では引きこもりに向けた支援を行っておりますので、悩んだときはまず無料相談を受けましょう。
引きこもりでお悩みの方はぜひ「らいさぽ」までご相談ください。