コラム

引きこもり10年以上の長期化した引きこもりでも再出発できる具体的な方法

10年以上の長期化した引きこもりでも再出発できる具体的な方法

「もう社会復帰は無理だと思う」
「こんな自分が社会の役に立てるわけがない」

みなさんは10年以上引きこもり生活を経験し、自分の可能性を信じられなくなっていませんか?

自信を取り戻すことや、社会復帰できる可能性がないと思うと、不安でたまらない毎日を過ごしていることでしょう。当記事を読んでいただければ、10年以上の引きこもり生活をしている方でも行動できることがわかり、引きこもりからの再出発を果たせます。

この記事でわかること

  • 引きこもり生活からの脱出するための具体的な方法
  • 10年以上でも手遅れではない理由
  • 今からすぐに行動するための具体的な情報

こんな人におすすめの記事です

  • 10年以上の引きこもり生活から社会復帰を目指す方
  • 引きこもりの家族や知り合いがいる方
らいさぽセンター本校 |引きこもり、不登校、ニートの就労支援、自立支援 | 10年以上の長期化した引きこもりでも再出発できる具体的な方法

10年以上の引きこもりとは

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引きこもりとは、原則的には6ヶ月以上にわたって家庭にとどまり続けている状態のことです。6ヶ月以上のなかでも、3年以上引きこもり状態の人は「長期化」と言われています。

3年以上が長期なら、引きこもり歴10年以上は年齢的にも希望がないと思うかもしれません。しかし、引きこもりは「学業や就職などの社会的参加をしていない人」であるため、10代から引きこもりで現在20代の人もいれば、20〜30代から引きこもりで30〜40代の人もいます。

10年以上の引きこもりにもさまざまな状況や年齢の人がいて、それぞれにまだ再出発の可能性があるのです。

長期引きこもりの背後にある要因

引きこもり歴が10年以上だと、なるべく早い段階での行動が大切になります

しかし、10年以上引きこもり生活を送っている背後にはさまざまな要因があるのです。自身の引きこもり長期化の原因を知ることは、より早い段階の解決につながります。

10年以上の引きこもりに陥る原因とは

引きこもりになりやすい人は以下のような特徴があるといわれています。

  • 真面目で努力家
  • 自己肯定感が低い
  • 感情や気持ちを出すのが苦手
  • 意見を伝えるのが苦手
  • 人の顔色をうかがいやすい
  • 我慢しやすい
  • ストレスに気がつきにくい

みなさんはどのくらい当てはまるでしょうか?実は10年以上の長期化する人の原因には、これらよりもさらに深いものもあります。その深い原因は次の3つです。

1.人と関わるのが怖い

10年以上の長期化している人は、病気ではなくてもコミュニケーションや人と関わることへの恐怖心があります

「次も同じことが起こるのでは…」といった恐怖心があると社会に戻るのがとてもこわいですよね。その思いが日常生活に大きく影響すると、精神疾患と診断されることがあるのです。

2.プライドが高いけど、自信はない

実はプライドが高い=強い、ではありません。

よくあるのは「自信がないから、プライドが高くなる」傾向です。みなさんは、つい「自分が上なのか下なのか」考えたことはありませんか?

そのほかにも

  • 弱みを見せてはいけない
  • 失敗してはいけない
  • バイトよりも社会人になるべきだ
  • 若い人に注意されたくない

と思っている人もいるかもしれないですね。

でもそれは自信があるからではなく、人から肯定してもらえないと自分が保てないからといわれています。自分で自分にプレッシャーをかけることが、長期化の原因の1つにもなるのです。

3.家・部屋の居心地がいい

仕事をしなくていい日常、食事が用意されている実家…みなさんは今の日常に不安もあるけど、居心地の良さを感じたことはありませんか?

10年以上の引きこもりの人は、一刻も早く自立が必要ではない状況なことも長期化の原因といわれています。居心地がよすぎるのも引きこもりを長期化させる原因となるのです。だからこそ、社会的参加は再出発のために重要となります。

精神症状や心理的側面との関係性

「引きこもり=病気」ではありません。
しかし、長期化しているケースは精神疾患との関連性のある可能性もあります。

引きこもりによく見られる精神疾患は、発達障害、気分障害(うつや双極)、統合失調症、社交不安障害などがあり、医療的ケアや治療を必要とします。病院や薬に頼りたくない思いが長期化の原因になることも…。

自分に合う治療法や支援を受けられずにいる人は、10年以上引きこもりになっていることがよくあります。未受診であれば一度受診してみるのも1つです。

引きこもりの原因になりうる家族の特徴

本人や親が原因ではないですが、引きこもりの原因になりやすい家族や親の特徴はあります。たとえば、以下のようなケースです。

  • 親が過保護
  • 子どもに無関心
  • 親が支配的
  • 親が世間体を気にしている

また、不登校を経験した子どもは引きこもりとなりやすく、長期化もしやすくなります。すでに相談先があって解決していない人は、ほかの相談先も見つけて、適切な支援を受けていきましょう。

40代は手遅れ?10年以上の引きこもりが抱えるリスク

40代でも社会復帰は可能です。

しかし10〜30代と同じような行動をしていたら手遅れになるかもしれません。ここでは、10年以上引きこもり状態の40代向けに社会復帰を急いだ方がいい理由を解説します。

9060問題に直面する

近年、8050ではなく9060問題が注目されています。

9060問題とは、90代の親が引きこもり状態の60代の実子の世話をすることです。8050という数字が、高齢化社会に伴い9060問題へと発展しました。

9060問題による大きな影響の1つが経済面。90代となると労働者は少数派となり、貯金や年金で親子が暮らしていくのはかなり大変ですよね。しかし、40代であればまだ間に合う可能性が高いので、できることからはじめていきましょう。

10代・20代に比べ、さまざまな選択肢が狭まる

20代は社会復帰に向けた公的な支援や就労支援も整っています。また、若い年齢なら未経験の職種でも採用される可能性が多くあります。

一方で、30代40代と年齢を重ねていくと対象外となる事柄が増えます。40代を迎えてしまうと、企業だけでなく相談機関やサービスの選択肢が減るのです。

また、親や兄弟、友人など、これまで助けてくれた人たちの高齢化が進むことも、10年以上引きこもることで生じるリスクといえます。それでも40代ならまだ間に合う可能性が高いので、今のうちにできることから行動しましょう。

社会復帰への第一歩!長期化した引きこもりから抜け出す方法3選

40代は手遅れ?10年以上の引きこもりが抱えるリスク

10年以上引きこもる原因や長期化のリスクが理解できても、抜け出す方法がわからないと行動できないですよね。

10年以上の引きこもりは、社会に出る怖さや不安が大きく、就労するイメージもしにくいでしょう。だからこそ、今から紹介する方法を1つでも実践してみてくださいね。

「引きこもり生活が日常」を手放す

みなさんは今、どのくらい自室から出て活動していますか?

  • 部屋から出る時間を増やす
  • 部屋の掃除をする
  • 家事手伝いをする
  • 家近辺を散歩する

このようにできることからはじめると、引きこもり生活を抜け出す力がついていきます。

コンビニ・通院以外の外出先を1つ作る

「外来ニート」という家と通院の往復のみの人を意味する造語が2010年頃に注目されはじめました。

外来でも外出できているのは素晴らしいことです。しかし、これから社会復帰を目指すならデイケア近所のイベントボランティアなど現状に「1つ」外出先を増やしてみましょう。

バイトではなく、就労継続支援もあり

10年以上の場合、バイトもハードルが高く感じるのは当たり前です。

10年以上の引きこもりの人が正社員登用を目指すなら、就労継続支援も検討してみましょう。就労継続支援とは、今すぐ就労できる状態ではない人がさまざまな作業を通して、働く準備をする施設です。このあと、ほかの施設とともに詳しく解説していきます。

10年、20年以上…長期化から社会復帰するための相談先

長期化した引きこもりから再出発するための相談先について解説します。

ひきこもり地域支援センター

全国の都道府県や指定都市で、行政やNPOが運営している相談窓口です。名称の通り、引きこもりに特化していて、資格を持つ専門家を中心に相談できる機関となります。

対象年齢:不問の場合が多い
対象者:本人や支援者、家族など
できること:相談、支援機関情報提供など

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精神保健福祉センター

主に精神疾患を持つ人や心の健康にお悩みを持つ人の相談窓口です。各都道府県や政令指定都市に設置されています。相談担当は精神保健福祉士や臨床心理士・公認心理師、看護師や保健師が担っており、専門知識のある人に相談したい方に向いています。

対象年齢:15歳以上もしくは18歳以上
対象者:精神疾患を抱える本人や家族、学校関係者など
できること:メンタルに関する相談、デイケアや家族会参加など

ジョブカフェや若者就職支援センター

ジョブカフェは、15歳から34歳までを対象とした若者の雇用支援を行なう機関です。

各施設によって異なりますが、セミナーや職業体験、就職相談、職業紹介など多岐にわたって支援を受けられます。

施設名称は地域ごとに異なり、その地域ごとの名称の1つが「若者就職支援センター」です。厚生労働省のジョブカフェにおける支援に関するサイトで、各都道府県のジョブカフェの詳細が確認できます。

就労継続支援施設

一般企業などで働くことが難しい状況の人が、障害や体調・調子にあわせて働くための準備をする施設です。「A型」と「B型」があり、A型は施設と雇用契約を結び、賃金をもらいながら作業を行います。

A型

対象年齢:原則18歳以上65歳未満
対象者:一般就労を希望するが、雇用に結びついていない人
できること:データ入力やwebデザイン、調理、ホール・接客など

B型

対象年齢:年齢制限なし
対象者:障害のある人や自治体の条件をクリアした人
できること:手工芸や部品加工、封入作業、農作業など

自分に合う場所がわからない人は、まず市役所や民間の相談先にどこがいいかを相談してみるのもいいですね。

未受診の人は病院

引きこもりが10年以上長期化する原因の1つが未治療なこと。

最初は病気ではなかったとしても、長期化すると精神疾患になるリスクが高まります。これ以上長期化して10年どころではなく、20年…30年とならないよう、一度病院へ受診するのも引きこもり脱出には重要です。

今はオンライン診療できるクリニックや訪問診療をしてくれるところもあります。外出する勇気がない人や待ち時間・移動時間が気になる人は、オンライン診療や訪問診療も活用してみましょう。

引きこもりを10年以上経験した方の体験談

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最後に、引きこもりを10年以上経験した方の体験談を紹介します。

53歳 男性 倉庫内作業 Y.Iさんの体験談

私は約13年、引きこもり生活を経験しました。きっかけは当時の仕事を辞めてから、次の職が決まらない日々が続き、段々面倒くさくなったことです。母と実家に住んでいたので近所の人の目も気になって、完全に部屋に閉じこもりました。

家族も励ましてくれていたけど、段々呆れられて自分から離れていったのですが、しばらくして妹から「引越して気分を変えたらどう」と言われ、母と一緒に妹夫婦の家の近所に引越しを決意。近くに職安などあるいい所だったので、すぐに職安に行き運良く仕事が見つかって今も働いています。

26歳 男性 会社員 Y.Oさんの体験談

中学1年の時、学校へ行かなくなって引きこもりました。当時は、人と関わりたくない気持ちでいっぱいでした。世間体もプレッシャーになるし、22歳まで10年間引きこもっていたので同級生との差がどんどん開くことに焦り、夜に1人で泣くこともありました。

でも22歳になって焦り始め、一念発起をして仕事をしようと決意。「死ぬことはない」と、必死に自分自身へ言い聞かせ、なんとか清掃のアルバイトを始めました。そこから生活リズムも戻って、再出発できました。

体験談を話してくださった方に共通することは、実家に暮らしていたことと「仕事・バイトをしてみよう」と行動できたことです。最初は勇気がいると思いますが、その一歩が10年以上の社会復帰から抜け出すきっかけとなるはずですよ。

手遅れになる前に!10年以上でも、40代からでも社会復帰はできる!

社会復帰に不安があるのは当然です。しかし、ここまで読んだみなさんなら、10年以上経っても再出発できます。まずは自分の再出発を助けてくれる相談先を見つけて、この記事で紹介した方法を実践してみてくださいね。

引きこもりでお悩みの方は、引きこもり支援に強い「らいさぽ」までご相談ください。みなさんの再出発をサポートします。

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